茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(社員?)(539)セーフティーシューズ

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(社員?)(539)セーフティーシューズ
加藤匡通
十一月××日(月)
 今の現場で僕が手元についている職人は三十代半ば、配管工になって三年だそうだ。当然の様に家族はいる。職人と日雇派遣では階級が違う、とは何度も書いている。今の僕は日雇派遣ではないものの、職人かと言われればそれも違う。家族を形成できる状態にはないし、その志向はとうにない。
 その職人は職長からいろいろと無理を言われていて(少なくとも本人はそう思っている)、真面目な人なのか僕を休憩に出してから一人で作業していることがよくある。それ自体はよくわかる行動で、僕も休憩時間を取らずに、あるいは短くしてノルマ(と思っている作業)をこなそうとしていたことはあった。場合によっては今でもある。でも、それを続けていると段々辛くなってくるのでやらない方がいい。多分誰でも、何でこんなにやらなきゃならないんだ、となる。それに、こっちが休んでる間も働かれていると、とてもやりづらい。ただ、何も出来ない手元が職人にそれを言っても伝わらないんだよなあ。 
 安全靴がそろそろ駄目になりそうなのでワークマンで一足買っておいた。と言っても買ったのは安全靴ではなくセーフティーシューズである。
 言葉遊びをしているようにしか見えないかもしれないが、安全靴とセーフティーシューズは別の物だ。安全靴は爪先に鉄芯、靴底に鉄板が入り、かつJIS規格を通った靴である。これに対してセーフティーシューズは爪先に鉄芯は入っているものの靴底に鉄板はなくJIS規格は通っていない。爪先の鉄芯も、強化プラスティックで代用していることがある。はっきり言ってしまえば紛い物だ。底が厚めだから釘を踏み抜いたりすることはあまりないものの、安全靴にはまるで敵わない。建築現場では本当は安全靴でなければ駄目だと聞いたことがあるが、今のところはうるさく言われたことはない。
 もちろん安いのはセーフティーシューズである。安全靴は安くても三千円を越えるがセーフティシューズは安い物なら千円を割る。出来れば安全靴を買った方がいいのだが、毎回は買えないんだよ。最初に登録した日雇派遣のフルキャストでは安全靴を支給されたような気がするんだが、勘違いかもしれない。
 ところが九百八十円で買った新しいセーフティーシューズの履き心地が宜しくない。僕は二十六・五か二十七を履いていて、今回は二十七を買った。ワークマンで試し履きはしてみたが、実際に動いてみると右足の親指が、爪先ばかりか左側面まで靴に押されている様で痛い。我慢していたら外反母趾になっちゃうんじゃないかと思うくらいに痛い。僕の足はやや幅が広いので、それで合わないんだろう。
 いやあ、失敗した。我慢出来ないので予定を変えて今夜靴を買いにまたワークマンに行こう。こういうのを「安物買いの銭失い」と言うのだ。
 ところで駄目な靴はどうしようかね?