茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇)(578)『頭上の脅威』(題名と本文は関係ありません)

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇)(578)『頭上の脅威』(題名と本文は関係ありません)
加藤匡通
九月×日(木)
 この数日、何故か頭の中で『アステロイド・ブルース』が流れていて、歌詞をうろ覚えだったので調べたら、てっきり『銀河旋風ブライガー』の後期エンディングだと思ってたのに『銀河烈風バクシンガー』のエンディングだった。『バクシンガー』は新撰組が元になっていて、幕末維新に関心のない僕は早いうちに見るのをやめたのに、憶えてるもんだなあ。たいてい各エピソードは忘れてても歌は憶えてる。『バクシンガー』も中身は憶えてないが、これはいい歌だ。
 当時の『アニメック』に確か南田操が「安易な革命ごっこには関心しない」と書いていた。南田操に学生運動との関わりがあったのかは知らない。しかしこの頃のライターは七十年代の前半が学生時代だろうから、本人が関わっていなくとも身の回りに運動は当たり前にある。その上での言葉なのだろう。そんな切実さなどまるで知らない中二の僕は安易な革命ごっこが大好きなのに見ていない。明治維新を革命とは思っていなかった、と言えるようになるのはもっと後のこと、この頃は単に関心がない、だ。
 ちなみに安易な革命ごっこは今でも好きだ。
 うるさかったオリンピックがやっと終わったと思ったらパラリンピックである。資本主義とナショナリズムの祭典オリンピックなんかとっとと潰れちまえとしか思わないがパラリンピックも大概だ。何より障碍者を細かく分断させて競争させているようにしか見えないんだけど、みんなあれで感動とか本当にしてるんだろうか?
 メダルメダルと騒いでたけど、そんなにメダルが欲しいなら金より稀少なプルトニウムでメダルを作ってIOCとかJOCに配ればいいのだ。日本国内には使い道が定まらないまま大量のプルトニウムが貯まっているから原子力村も大喜びだぞ?
 ほんの少し前に悲惨な東京オリンピックがあったことなどみんな忘れている。だからなおさら悲惨な訳だが、世間では次の国際的メガイベント、大阪万博に関心が集まって・・・ないか。パビリオンが開始までにいくつ完成するかとか、大阪は賭けたりしないのか?賭け事公認になるんだろ?
 その万博の休憩所が凄いと伝わってきた。屋外に、一つ九十キロから二百五十キロ、七百五十個計九十トンの自然石をワイヤーで蒲萄棚のように頭上に吊るす休憩所が出来たのだと。最初にネットで記事を見た時は作業員の休憩所かと思った。作業員に強烈な圧迫感を与え安心して休ませない、いつでも緊張感を持て、とか新自由主義的な理念の施設を作ったのかと思ったのだ。
 建築現場での原則の一つに「吊り荷の下に入らない」と言うものがある。建築現場では資材等をクレーンで動かすことがよくある。重い物が下に落ちるのはニュートン万有引力を発見する前から幼児でも知っている。だからクレーンで物を動かしている時は近づかない、吊り荷の下には入らない方がいいに決まっているんだが、熱心に働いているとしばしばそれを忘れる。だから当たり前のことをわざわさ言葉にしている。
 そんな基本的なことを設計事務所の人間が知らないとは思えない。設計の人間は建築現場においては監督より上で、現場の所長より偉い。なので最初は設計はそこまで作業員を人間扱いしていなかったのか!と頭に血が昇った。違った。多分すべての人を人間扱いしていなかったのだ。それとも多くの人がヒイヒイ言ってる社会を的確に反映させた施設だとでも?
「誰も見たことがない施設を作りた」かったんだそうだ。自宅で思う存分やってくれ。作業は自分たちだけで頼むよ。