茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇)(495)土工復帰

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇)(495)土工復帰
加藤匡通
四月×日(木)
 仕事がなくなると更新回数が増えると言う相関関係があまりに露骨で笑ってしまうな。月に一回どころか更新しない月すらあったと言うのに。
 どうにか仕事を見つけた。土工である。ほぼ二十年前にやっていたことがある。都内の会社で、朝六時十五分に事務所集合、現場へは車での移動となる。これが六時集合だったら間に合わないところだが、どうにか間に合ったので通いだした。もっとも、自宅最寄りのみらい平駅の始発だとぎりぎりでトイレに寄る時間もないので、一つ手前の守谷からの始発、五時四分秋葉原行に乗っている。四時起き、半には家を出てるから朝食を食べる余裕はなくなる。
 当然車で守谷まで出ている。なので駐車場代も上がる。守谷は一番安いと四百円だが、少し駅からあるので駅前の五百円のところを使っている。みらい平は三百円だから二百円高い。あ、これは一日の金額だから。都内なら一時間金額でもおかしくない額だけどさ。
 事務所集合で現場まで車移動は珍しくはない。僕にはあまり馴染みがないだけだ。日雇派遣も土工も、これまで現場直行のところばかりだったのだ。建築関係では二か月だけやった土木の仕事くらいしか憶えはない。東京にいた頃は一度もない。日雇派遣では珍しいと思うが、今回は派遣ではない。日雇そのものだ。印紙を貼れると言うのでアブレ手当だってもらえることになる。まずは白手帳作らなきゃ。
 一日目はブロック基礎のコン打ちだった。整地して型枠組んでコン打ち、と全部だ。職長に「これはよくあるんですか?」と聞いたら苦笑しながら「ない。」と答えていたが、そりゃそうだろう。これは外構屋の仕事だ。Y社でよくやったよ。土を鋤いて均して踏み固めてコン打ち、である。これ、Y社だったら鋤いて転圧して砕石敷いて転圧して鉄筋組んで、でコン打ち、だ。凄い簡略化である。踏み固めるなんてただ足で踏んづけてるだけ。正直呆れた。まああっちの元請けは住宅メーカー最大手の一つだからな。小さなところはこんなもんかもしれない。
 隣家との狭い隙間にバケツでコン打ち、はほとんど十年振りにやった。いや、息が上がる上がる。均しまでやったけど、どこの馬の骨ともつかない奴に初日からやらせて大丈夫なのか?
 二日目はピットに潜ってノロを斫っていた。躯体をコン打ちした時にこぼれたりしたコンクリのかすをピックで斫るという、これまた日雇派遣でお馴染みの作業である。それなのに、ああそれなのにそれなのに、ピック、つまり電動のハンマドリルを握って斫って、昼になって手を見ると、ゴム付きの軍手をしていたのに指の皮が剥けていた。そんなに楽してたのか、俺!

 そして今日。一日スコップ握って穴掘りをした。一緒にやってる七十二歳に明らかに負けてる。正直かなりきつい。いろいろ泣けてくる。
 帰りの車の中で、明日は休み多いみたい、と聞いた。事務所に行くと「加藤さん明日休みね。」と言われた。土工は十人近く休みになってるみたいだ。・・・どこに行っても同じってことなのか?やっぱり泣けてきた。これ、エープリルフールってこと、ないですかね?(いやいや、それじゃ日付書いてない意味なくなっちゃうだろ。)