茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

日雇い派遣日記(35)

         加藤匡通

六月××日(水) 「貯金はないのか」

 先日友人に「貯金はないのか」と聞かれた。
 新聞に新社会人向けの記事で月収十八万なら二万を貯金に廻せ、とあった。今の僕は月に二十万前後が収入なのでこの考え方だと二万づつの貯金が出来ることになる。実際は週払いで四万から六万が払われ、そこから家賃分の積立と光熱費、公共料金、それから現場への交通費を引くと手元には二万前後が残る。ここから五千円を貯金に廻せってことなのかなあ。
 食費生活費は母の年金から出ている。急な出費、という程のものでもない些細な出費で財布の中はいつも空っぽのような急がするが、多分僕が使い過ぎなのだろう。確かに映画見てるし本買ってるよ。サラリーマンだった九十年代前半はどうにか年収三百万あったこともあったから、客観的には貯金が出来る条件はあったのだろう。消費水準はだいぶ落ちてると本人は思っているが、自分が働き者の蟻ではなく遊び人の蝉だという自覚はある。
日雇いだからといって貯金が出来ない訳ではない。日給八千日で貯金をやりくりする人は当然いる。ああ、貯金がないのは自分の責任だよ。