茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

日雇い派遣日記(47)二度あることは

      加藤匡通

八月××日(水)

G社の僕のいる班は四人で動いているが、いち二人は今日から夏休みに入っている。僕は昨日から入った現場で一人ブロック基礎のための溝を掘っている。深さ七十センチ、幅五十センチで長さは十五メートルといったところか。狭いところで隣の家とは二メートルくらいしかないから重機は入れない。昨日は三人がかりで堀ながらバケツリレーで土を出した。だいたい一人区、一人一日分の作業が残った。どの道夏休みに入ったら日雇派遣に出ようと思っていたので出ることにした。したがってこれはいじめではない(何を言訳しているのだ?)。
昨日はガラだらけで難渋した。ガラがあるとスコップは土に刺さらず土を掘り出すことが出来ない。これが実にイライラさせられる。かと思えば粘土質でスコップはあっさり通るものの土を掘り投げようとするとスコップの刃先に土が粘りついて離れなかったりする。と、振り上げたスコップをどこかに叩きつけて土を落とさなければならない。動作は倍以上、しかも予想とは違う動きをするので時間も倍以上、面倒で仕方ない。立っているだけで汗かくのにスコップ振り回して、延々やってる。ガラも粘土も嫌がらせやってんのか、という気にさせられる。
それでも周りから色々言われなくて済むのだから一人作業は気楽なものだ。自分のペースでやってりゃいい。しかしそのうちいないはずの職人たちの声が聞こえてくる。「加藤ちゃんまだそこまでしか進んでないのかよ」「今日中に終わんのかよ」自発的に服従する主体の完成である。幻聴が聞こえている訳ではない(と思う)。
で、一日終わった。エアコン屋外機脇というやりずらいところだけ、二メートル分くらいが残った。やっぱり職人に言われちまうな。・・・ゴールデンウイークと同じことをしているような気が。
ともかく明日から夏休みなので、日雇派遣に入ろうと電話を入れた。さすがに盆休みのこの時期に飛び込みで仕事くれ、と言っても無理みたいだ。なので明日から強制的に夏休みが始まる。