茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇)(558)夏休みどうにか終了

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇)(558)夏休みどうにか終了
加藤匡通
八月××日(木)
 どうにか仕事にありついた。
 設備配管V社の仕事がまた回ってくるのかはもうわからない。他の設備の会社に伝手は出来たが、どこも月払いだと思うと移る踏ん切りがつかずにいる。手持ちはゼロなので、最初の給料日までどうやりすごすか悩むことになるからだ。何回これを繰り返すんだか。
 首が廻らなくなったので近くに事務所がある派遣会社に登録した。建築ではなく倉庫作業が中心のようだ。面接と言うか登録をして当面の働ける日程を出して、さあ明後日から働こう!と思っていたら、知人から連絡が来た。「加藤さん明日空いてますか。」穴堀りと言われて決めた。「空いてます!」
 派遣の仕事はキャンセルした。現場の方が慣れてるし、金額もだいぶ違う。
 翌朝、数日振りで早起きして現場に向かった。
 まだ地下一階の床部分のコン打ちが終わっただけ、目の前の道路から一メートル以上下に(なんかおかしな表現だな)コンクリの躯体があり、その下はピットになっている。現場が小さい上にまだそんな状態なので詰所もない。まあ予想通りだ。
 建物の基礎を作るためにユンボで穴を掘った周りには縦にH綱、横に矢板土留めとして入れている。その矢板と仮囲いの間に設備の配管が通る、その穴堀りである。幅が五、六十センチくらいのところを深さ一メートル以上掘るんだが、大部分は堀りながら矢板を外して行けるので大変ではない。自分の足場は現在位置から一メートル下、躯体の上なので矢板を外せば真横からスコップで掘れる。問題は矢板を外せない、一メートルより深いところだ。縦堀り専用の、二本の長い柄のついたスコップがあれば楽なんだが、この現場にはない。狭いところ用の小さいスコップが何種類かあるだけだ。
 しかし、楽だと思っていた矢板を外しながらの穴堀りさえ久し振りでスコップを握る身には堪えた。炎天下での作業も久し振り、暑くて暑くてすぐに息が上がる。いや、今年の夏は凄いよ。「ある種の災害と認識している」暑さがこんなに続くとは、温暖化対策急務だろ。適当に休みながらやっているものの、腕も肺も悲鳴を上げている。外構屋時代ならこんな穴堀りは慣れたものだったが、これを十時まで休憩なしでやったらもう保たない、倒れる。穴堀りに、もう耐えられないと何度目かの確認をしてしまった。くそ。
 職長はベテラン、みんなに気を使いちょくちょく休憩を入れている。慣れている土工だってこんな環境での穴掘りはきついのだ。 
 息も絶え絶えに午前が早めに終わり、長めの昼休みの間中近くの連鎖店でクーラーに当たり続け、どうにか持ち直した。倒れるかと思った。この夏が特別に暑いから?いや、もう年齢だろ。