茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(看板に偽りあり)(124)小ねこって知ってますか?

加藤匡通
十月×日(水)
  東京から離れてまた埼玉の現場に来ている。今回は敷地が狭くて荷物をこまめに動かしながらの作業。ブロック積みは門扉と塀だけだが、塀の方が狭くて狭くて、隣の家の金網フェンスの下をえぐって基礎を掘っているような気分だ。こういう狭いところの泥入れや泥出しはバケツを使うことが多いが、今回は小ねこを使った。猫八の子どものことではない(当たり前だ。)。一輪車の小さいやつで、見た目は縦に半分になった一輪車である。最初はわざわざ作ったのかとびっくりした。容量は三分のニらしい。見たことがないので「またマニアックな道具を買いましたね」と言ったらよく使う物で別にマニアックではないと返されてしまった。私もう十年以上日雇いですけど初めて見たんですが。狭いところに入れるので便利だが、慣れてないからか使いづらい。重心が違うのでバランスが取りづらいのだ。それでも半日掘り続けた。一時期より穴掘りが増えたような気がするな。
 現場から歩いて三十秒に古本屋があるので当然覗き、これまた当然何冊か買って帰った。この駅、ブックオフの類じゃない真っ当な古本屋が三軒もあるんだよ。嬉しいなあ(もちろん喜んでいる場合ではない。もう何年も古本屋で本を帰ったら「新しく古本を買いました」と親に悟られないようにしている。)。
 この日記は僕自身の名前こそ戸籍名で書いているが、基本的にはあとは全部ぼかしていて、現場の地域も書いてはいない。全部実名で書けるに越したことはないだろうが、いろいろと差し障りがあるからだ。もちろん公安がその気になれば現場の特定なんか簡単だろうが、問題はそこじゃないからな。なんだか変な方向になってきた。えーと、何を言いたいかと言うと、今回みたいに例えば古本屋の話をしていて地域も店名も出せないのは残念だと言いたいのだ。いい店を紹介出来ないというのはなんとももどかしい。そっちが主眼じゃないからしょうがないか(なので店名が分かったからとコメントに書き込んだりしないように。)。