茨城不安定労働組合

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賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(看板に偽りあり)(132) 小型車両系建設機械特別教育

加藤匡通
十一月××日(土)
  小型車両系建設機械特別教育というのを受けに元請けの事業所に来ている。三屯未満の重機を使う資格を取りに来ているのだ。法律で何何についての講習を何時間受けると決まっていて、実技はない。三屯を越えたものは実技が何時間とこれまた法律で決まっているので一日重機に乗りながらの講習がある。基本的には講師の話を聞いてるだけ、最後に簡単な試験があることになっているがどこが出るかはその都度講師が「ここ覚えてくださいねー、後で出ますよー」と教えてくれる。安全管理から言って元請けは職人に各種の資格は持っていて欲しい。事故があった時に無資格で作業していれば元請けも責任を問われ、言い訳が出来なくなるからだ。だから落とすための試験ではないのでそもそも厳しくない。それでも試験になったら「テキストはしまってください」と言うので隣との相談もなしだなと思いながら(たまにあるんだよ、相談してもいいってのが)テストを受け、当然答案は回収されて講師が採点するもんだと思っていたら「それでは答え合わせをします」と言ったのには拍子抜けした。六十点以下は受講修了扱いにならないと言うことだったが六十点以下はいないだろう。国家資格でもないのに受講料一万円払って一日座学やって拘束されて挙げ句に資格が取れないとなれば職人は講師を吊し上げるだろうしな。ちなみにY社は受講料一万円は自分持ちだがその日の日当は出る。これは会社によってまちまちだ。
 大抵の職人はこの資格の有無に関わらず重機の操作が出来る。いまさら資格を取っても、て顔をしている年配の職人もいる。現場でいじって動かせるようになってから資格を取りに来るのが一般的でまるっきり操作出来ないで講習を受けに来る方が珍しいはずだ。僕はその珍しい方である。重機の運転なんてできませんとも、ええ。
講師は重機のメーカーから来ていたが、普段は現場に出ているのだろう、テキスト棒読み。上手い講師なら適当な具体例をはさんだり気分転換で関係ない話をしたりしてなるべく受講者を飽きさせないようにするものだが、いやーきつかった。三十人の受講者で暖まった部屋はもう眠くて眠くて。予定より早く終わって助かったよ。