茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(看板に偽りあり)(131) 都内縦断

加藤匡通
十一月×日(月)
朝、都内東部の現場に行った。前にやっていた現場でフェンスの交換である。網目状のフェンスが張られているがそれだと隣の家にエアコンの排気が行ってしまうので、目隠し仕様の物と替えたいというお客様からの要望だ。住んでみてわかることは多くて、こうした変更、手直しは珍しくない。
北千住乗換で僕の家から一時間かからない現場だが家を出る時間はいつもと変わらない。都内で日雇派遣をしていた頃は現場までの時間がまちまちだったのでそれに応じて起きる時間も出る時間も変えていたが、今は最寄駅で時間調整することにしている。で、今回も時間調整していたら職長から電話がかかってきた。渋滞で遅れるから連絡するまで待ってて、だって。書き忘れたが今日は職長と二人、もう二人は継続して都内南部に行っている。金曜に今日の話を聞いた時は割と長くかかるだろうからこの後南部への移動はないと言われている。夜北千住で用事があるので待ち時間が長く取れそうだ、ネットカフェで作業でもしようか。結局電話が来て現場に移動したのは九時だった。
作業はまず該当箇所のフェンスをネジを緩めて一列分全部外す。交換するのは三枚だけだが一旦すべて外さないとフェンス同士をつないだり、全体の寸法がズレだのを直したりしないといけないので出来ないのだ。ところがこれがフェンスを切ったりといった加工もなく、三枚入れ替えただけであとは素直に元に戻すだけ。実質一時間で終わってしまった。午前一杯かかれば今日は終わりって思ってたけど早過ぎるからカトちゃん××行って。飯して一時に向こう着いてればいいから。××とは地名である。うん、早過ぎるからそうなると思ってました。ああ、作業が。あれ?一人で電車移動ですか!現場間を電車移動なんてG社会じゃ始めてだよ。
 日雇い派遣田園都市線十日市場駅で待ち合わせをしたことがある。この頃はまだ三軒茶屋住まいだったので電車で一本、朝は座れるし楽チンとか思ってたら、待ち合わせ場所には派遣先の車が来てそこから移動で違う場所に連れて行かれた。そういう形の移動は日雇派遣で経験したことがほぼなかったので面食らった。派遣先が何屋だったか覚えていないが、これは多分行っ時の作業が直接には彼らの仕事そのものではなかったからだろうと思う。工場か何かに連れて行かれ鉄パイプをトラックに積み込んだはずだが、型枠に使うと言っていたから型枠大工だったろうか。作業は三時頃には終わったが、それからまた車で移動、このまま五時まで車の中じゃたまらんと駅の近くを通るならそこで下ろしてくれと何回か言ったらうるさがられたのだろう、別に駅の近くでもない路上に下ろされた。仕方ないからその場で着替えたよ、人通ってるけど。最寄駅は小田急線の玉川学園駅だった。他にも何度か似たような状況はあったけど作業が終わり早上がりかと思ったのに解放されないと、定時なのにまるで残業したような気分にさせられた。
  今いる現場から午後の都内南部の現場まで電車を乗り継ぎ一時間、乗換三回五百八十円。都内を横切りブロック積みの手元として怒鳴られに行ってきまーす。