茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(看板に偽りあり)(161) 渋滞に祟られる

加藤匡通
六月××日(金)
   カレーを諦めて高級住宅地に戻って来たが職長はなかなか来ない。ガラ袋が必要とのことでゴミが残ってたりするのかと思ったら現場はきれいに片付いている。八時過ぎに電話があって指示通りに余ってる土を動かし、泥で汚れた塀だの道路だのを洗い、気がついたら十時を過ぎていた。休憩の時間だがいくらなんでもそろそろ来るだろと洗いを続けて十時半に職長到着。道路が大渋滞だったのだとか。今日五十日(「ごとうび」と読んでくれ。標記がこれでいいのか分からん。)だもんなあ。しかも金曜、そりゃ混むわ。職長は千葉方面から来るので、以前の現場は近かったが最近の現場は都内を横断して来ることになる。「もう次の現場に移動してる予定だったのに」と嘆いている。
   職長と共に高圧洗浄機が到着、水洗いは瞬く間に終了した。同業者の集まりで「なんで持ってないんだ。すぐ買え」と言われて早速買ったようだが、蛇口からホースで水引っ張ってブラシでこするのとは段違いだ。コンクリ仕上げ面の一点にほんの二、三秒当てるとセメント成分が飛んでしまい砂利がむき出しになってしまうのだ。いや、すげえすげえ。不用意に手なんかだせないな。切っちまう。
   午後はさらに高級住宅地に移動、ここは家並みを見てるだけで嫌になってくる。作業は既存の塀の頭にアルミ笠木の取り付け。半年以上前にここへ来た時に既存塀を左官して塗装し直した。その塀に笠木を乗せると。ブロックでも金属でも、塀の一番上の小さな屋根仕様になっている部分を笠木と言う。寸法計って取り付け用の台座の位置を決め、ビス留め用の穴を開けて台座を固定しさあ取り付け、と思ったら塀と笠木のサイズが合わない。向きを変えたりいろいろ手直しをしていたら五時を過ぎてしまった。今日は早上がりだと思っていたのに。
  帰りに、いろいろやってらんない気分になったので一人でカラオケでアニソン・特撮歌いまくるか!と秋葉原をうろうろしたが思っていたより高かったので方針変更、ブックオフに入ってしまう。今や年に一度も行かないカラオケの代わりがブックオフとはどういうことなのか自分でも説明できないな。こんな時に本は助けてくれないと分かっているのになんで行くかなあ。馬鹿かお前は。こういう時は映画だろ。