茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(看板に偽りあり)(163)こんなところに黒旗が

加藤匡通
六月××日(土)
やってらんないのも大半は自分のせいだったりする。
 ブロック積みの手元の重要な仕事に目地切りがある。ブロックとブロックの間のモルタル部分をきれいに整える作業で、目地小手という専用の道具を使う。はみ出たモルタルを取って平に、砂目が出ないようつるつるに押さえる。モルタルが足りなければ目地小手に乗せて押さえる慣れると一動作で出来るようになる。当然一瞬で終わる。これが僕がやるといつまでも決まらす「いつまで目地切ってんだ!」と言われてしまう。この前笠木の下の目地を切ってて、手はとどくものの目がよくとどかない、要は高い位置だった。踏み台替わりにブロックでも使えばよかったのだがそれをせず、その足元は土間でコン打ちして仕上がったら笠木の目地に視線がとどく。今日、職長がその目地を見て「カトちゃん、これじゃ何も任せられないじゃん。せっかくきれいにブロック積んであったって目地がこんなじゃなんにもなんないよ。何やってんの。」。確かにそれは凸凹と言うか、とても目地を切ったとは言えないひどいものだった。
もちろんこの時にやってらんないと思う訳ではない。出来ない自分が悪い。何をしているのだろう。だがそれが積もればやってらんなくもなりはする。
昨日は雨で仕事が流れたので『愛と誠』を見に行った。設定が原作通り七十年代初頭で冒頭は新宿西口地下、何かの集会あとらしくいくつもの旗や横断幕が残されている。その中に黒旗が二本。スローガンまでは読めなかった。なぜだか赤旗はない。で、そこでいきなり喧嘩が始まるんだけど妻夫木聡演ずる誠は西城秀樹を歌い出す!どうしようかと思ったがそのまま映画は飛ばしまくり、主要人物が七十年年代歌謡を一人一曲歌って踊るミュージカルだぜ?さすが三池崇史、やりたい放題、実に楽しかった。
この前は『ファイナル・ジャッジメント』を見に行った。同時間帯にイラン映画の『別離』をやっていて、どっちを見ようか考えたが『ファイナル・ジャッジメント』を選んだ。これ、『別離』の方が映画として劣るとかって判断じゃないからね。中国が攻めて来るという露骨な反共映画で、対抗手段が覚醒した救世主による説法!やがて世界は信仰にもとづく民主主義によって解放される。見なきゃ批判も出来ないから見に行ったけど、この映画を見て幸福の科学に入る人はそんなにいないんじゃないかと思う。まるで面白くないのだ。冒頭、国政選挙で必死に訴えるがほとんど関心を持たれずのちに救世主になる人物が落選するが、ここなど幸福実現党を想起させたいんだろうけど、ただの空回りしてるファシストにしか見えないもんなあ。全編そんな感じ。でも在特会にシンパシー持ってるとまでいかなくとも、中国を敵視するのが時代の空気になってるから出来が悪いからって安心も出来ないか。