日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇)(569)すごいなビズリーチ!
加藤匡通
三月×日(金)
このブログを読んでる人にはわからないだろうが、僕の手書き文字は大変汚くて読みづらいと評判である。パソコンを自宅で使える状態ではないので、いやそれ以前にパソコンでの入力が得意ではないので、レジュメの類いは今でも手書きが基本だが、初めての人からは読めないとよく言われる。
メソポタミア全域で使われていたシュメール発祥の楔形文字は現代のアルファベットのようにいくつもの言語を表記出来た優れものだ。いや、多くの人々が自分たちの言葉を楔形文字を使って表記しようとしていた努力を讃えるべきか。当時は粘土板に記録していたので、葦ペンを粘土板に「押し付ける」ことが書くことだった。文字を刻みつける、に近いかもしれない。と言うことは書き文字のようには個性が現れないことを意味する。つまり、文字に上手い下手があまり出ない。これはつい最近知った。もっと早く教えてくれれば楔形文字を使ったのに!
当然現代では粘土板は使われていない。スマホは板のような気もするが、葦ペンには対応しないだろう。だいたい、僕はまだスマホではなく携帯電話である。ガラケーって言葉は好きではないので使う気にならないんだけど、今ではガラケーは最早用できなくなっていて、僕が持っているのはガラホと言うんだそうだ。なんだよガラホって。
携帯電話にはいろんなメールが届くが、先日はアメリカンエキスプレスカードからメールが来ていて笑った。日雇労働者に寄越すかね。
もっとも、茨城に来てすぐの頃にも、父宛てに郵便で来てもいた。何度も書いているが、父は零細企業の経営者で僕は父の死後に後を継ぎ、会社を潰している。日当七千五百円の従業員の給料をひいひい言いながらどうにか払うのがやっと、経営者自身の給料なんか作れなかったのは父子共々である。そんなのにアメリカンエキスプレスの案内送んなよ。
だが、最近はさらに別のものが来るようになった。ビズリーチである。日雇労働者にどんな転職可能性があるというのか!僕に送ってくるとは、すごいなビズリーチ!
しかしメールを読んでみたらもっと凄かった。「貴社の条件に当てはまる」って採用する側かよ!いつの情報使ってんだよ。いやいや、すごいなビズリーチ!