茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(看板に偽りあり)(177)カードなんてないさ

加藤匡通
九月××日(木)
  重症なのは自民党の国会議員も同じだったことが明らかになった。呆れた。
   公開まで二カ月を切った『ヱヴァQ』をこれまで同様初日一回目に見たいのだが、僕の行けるつくば、守谷の映画館はどこも最初の数日はオンライン予約が必要となっている。これ、カード決済だよなあ?銀行のATM用ならあるけど、決済可能なカードなんて持ってないぞ。そんなもん持ってるとただでさえ計画性がないのにロクなことにならんと思ってそもそも持ってないけど、なに、作りたくとも自己破産してるから作れやしない。審査を通らないのだ。これまで不便と感じたことはなかったが思いがけない方向から矢が飛んできたな。さて、どうしよう。誰かに頼むかなあ。
   十年以上前、最終的にはアル中でクビになった日雇派遣の会社での話。事務所に一日分の給料取りに行ったら新しくなにやらサービスを始めだと壁に表示してある。(ここの掲示板は会社だけでなく労働者も使ってよかったので、僕も野宿者メーデーや学習会のビラをよく貼った。もちろん会社はどん引き、労働者も誰も来なかった。何年経ってもやってることは一緒だ。あはは。)会社で信販会社と組んでカードを作ったと言う。困った時の銀行代わりに、とか書いてある。確かに日雇派遣はなにせ日々雇用し直されている訳で、ずっと同じ会社に登録して働いていても毎月定収入があるとは見なされず、信販会社なんかから借金はしづらい。だから、会社が金貸してあげます、と。まあ正確に言えば金を貸すのは信販会社だろうが、だいたいこんなとこだ。なんと親切な!感動のあまり事務所で言ってしまった。「おいおい、これ使ったら借金でがんじがらめになっていつまでもこの会社から抜けられねえじゃねえか!」
  そう言った本人が二、三年後には派遣ではない日雇の会社(日給月給は基本的には日雇ということだと思う。こう言ってしまうと肉体労働の会社はたいてい日雇と言うことになるが、多分その通りだ)に移り、借金が出来るようになって、アコムだのプロミスだのから金を借りるようになるのだから世話はない。さらに後年、借金を整理して毎月少しずつ返していくようにしていたら(これは自己破産の前。)、父の死により会社を継いでしまい、仕事用に残った父の携帯に「お金貸します」と電話がかかってきて会ってみたら闇金だったとか、困ったことは色々あんだけど、とりあえずそれはまた別の話。