茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

アンダークラスとは誰のことか第五回 報告

1月25日に「アンダークラスとは誰のことか 第五回 日雇派遣の加藤匡通さんに聞く」を行いました。

加藤さんは、「加藤匡通の賃労働履歴(人はどのようにして日雇派遣になるのか)」と題した手書きのレジュメをもとに、自分の生い立ちから話し始め、大学新卒で就職した会社を退社したあとはこれまでの人生の大半を日雇派遣として食いつないできた事情を詳しく説明してくれました。途中亡くなった父の家業を継ぐもほどなく倒産・廃業の憂き目を見るなどの経験も淡々と語られました。また、日雇派遣の一日の仕事の流れ、現場の様子などもリアルに解説していただきました。最後に、自らは日雇派遣禁止には反対の立場だと明言され、「日雇派遣は非人間的で悲惨な仕事」だとするある反貧困運動関係者の言葉への違和感も吐露されました。加藤さんは最後に「フリーター・非正規労働者の何がいけないというのか!仕事=賃労働が人間をつくる?嘘をつくな!働くことは喜びじゃない。苦役だ!」という強い主張でまとめられました。参加者との質疑応答も活発になされました。参加者は7人と少なめでしたが、県外から2名も参加者があり、有意義な会となりました。


(補遺)                                                                    加藤さんは、日雇派遣が賃労働者として搾取されている現実は批判しつつも、同時に、仕事で責任を負わない気楽さや、自分の都合を最優先できる「魅力」も日雇派遣にはあることも指摘していた。正規雇用の職でも、重い責任を負わされ自分の都合も優先できず搾取されるばかりであれば、それに比して「日雇派遣は非人間的で悲惨な仕事」とは言えない、また、現実には自分を含め日雇派遣の仕事がなければ困る人がいる、といった加藤さんの言わんとするところににわかには反論できないが、不安定労働を安定労働に変えてゆきたい私としてはそのまま共感するわけにもいかない。考えていきたい。(藤田)