茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(看板に偽りあり)(218)『よ、まわれ!』

加藤匡通
八月××日(木)
  通勤が車になったら本を読む時間がなくなった。メールを打つ時間もなくなった。レジュメを切る時は帰りにマックに寄っているが、出来れば喫茶店に寄りたいものである。そのうち、と言うか目の前の課題が片付いたら仕事帰りにどこかに寄ってコーヒー飲みながら本を読むようにしていこう。読書の時間がないなんて、何のために働いているんだかわからない(必ずしも賃労働のせいだけではないような)。つーか、通勤とか休憩時間にしか本読まないってどーゆーことだよ!俺は何をしているんだ!
  組合とは別件でビラを置きに廻っている。行く先は図書館、公民館のような公共施設や本屋である。組合企画でも同じように置きビラに廻っている。もちろん何枚で何人と言う効率を考えたらものすごく割は悪い。けど、なるべく多くの、いろんな人の目に触れるようにしたいので、街中にビラを置いたり貼ったりする努力はすべきだと考えている。ネットの力を軽視しているつもりはないが、僕が力を注げるのはネットじゃない。
   そうして廻っているところの一つに龍ヶ崎の駅近くの古書モールがある。場所を特定されると困る現場の話じゃないから地名も店名も出せる。リブラと言うショッピングモールの一角に古本屋が集合しているのだ。ここはちょっとすごい光景だぞ。本屋や古本屋にビラを置かせてもらったり貼らせてもらったりする際はなるべく何か買うようにしているが、ここは大きいので棚を見始めたらすぐに一時間は越えてしまう。当然本をいっぱい抱えてレジに向かうことになるし、その分廻る箇所数も減る。だからなるべく棚を見ないようにして。と思ってたら天沢退二郎の『〈光車〉よ、まわれ!』を発見してしまった。筑摩書房の新装版だ。持ってると思ったが、百五十円と言う金額に憤慨してお招きしてしまう。天沢退二郎の童話はいまだに一部に熱狂的なファンを持っているようで、単行本はほぼブックマンから復刊されている。だから値が下がったのかもしれないが、百五十円はあんまりだろ!
  今の職場はゴールデンウィークもお盆も、それどころか年末年始すらまとまった休みがない。今日も世間は盆休みだが、会社は動いている。僕は今日だけ休みをとった。多分職場の人間はみんな僕が盆で休んでいると思っているのだろう。運動に関わり始めてから、夏はこの一日に集約されるようになったので今日は運動に費やす日なのだ。