茨城不安定労働組合

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賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(看板に偽りあり)(226)大坂屋書店と「人間なめんな!」

加藤匡通
十月×日(木)
  下館まで出かけて『フクシマ2011 被曝に晒された人々の記録』と言うドキュメンタリーを見て来た。自主上映会である。下館はほぼ初めて。駅前商店街はきれいに整備されているが、人通りは極めて少ない。以前はデパートか何かが入っていた駅前真正面の商業施設は空っぽになって仕方なく行政が間借りしているようで、日曜の駅前なのにシャッターが降りている。どこも厳しいなあ。映画館の看板を見つけて大喜びで近づいてったら当然にも閉まってた。
   3・11以降大量に震災と原発事故を扱ったドキュメンタリー映画は大量に製作・上映されている。記録、証言としての価値は大いにあるだろう。近場での上映にはなるべく行きたいと思っている。それが自主上映会ならなおさらだ。しかし上映運動の成功を願うことと作品への評価は全く別で、まだ数本しか見ていないけど今のところこれはと言う作品はない。
  『フクシマ2011』の数日後には『ガレキとラジオ』を、今度は守谷の映画館で見た。映画は、まあ先に書いた範囲のものだったがパンフレットが震災とラジオの関わりを軸にまとめられていて、出色。特に村上賢司の「人間なめんな!震災直後のΤΒS」と言う文章はTBSラジオ限定ではあるものの、ラジオに何が出来たのかを伝えていて秀逸で、映画本編よりよかったくらいである。あの夜の宇多丸の「人間なめんな!」という叫びは僕の心にも響いた。
  下館からの帰り道に下妻の古本屋と本屋に寄った。古本屋はピノキオ、本屋は大坂屋書店と言う。どっちもいい店だけれども、ここで強調したいのは大坂屋書店の方で、他所では見かけなくなった古い本が大量にあるのだ。崙書房の絶版本はまだメジャーな方で一九七五年茨城県立太田第一高等学校図書館発行の『長塚節横瀬夜雨・山村暮鳥の生涯と作品』なんて冊子、ライヒの翻訳が載っている八十年代まで出ていた同人誌『創造の精神』と茨城に来て八年目の新参者が知らないものだらけ。こういうことがあるから新刊書店でもまめに覗かないといけないのだ。いやあ、勉強になるなあ!(本当に勉強になるのはこれらの本をきちんと読み込んでからである。読む余裕があるのかとかは聞かないこと。)