茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(360)ゴルフ場の風呂に入る

加藤匡通
一月×日(土)
 今年最初の仕事は去年入った現場の続きでゴルフ場内の浴場の解体である。車で行ける距離の現場なので車で行っている。現場近辺までだいたい一時間と思っていたが、土曜の朝なら三十分だと今日知った。平日はやっぱり混んでるんだ。電車だと最寄駅まで四五十分、交通費は千円を越える。駅から現場まで歩いたら小一時間だろうか。派遣会社は始めから車で行って現場で会社の作業員と合流してくれと言ってきた。他の作業員たちは駅で会社の車に拾われるらしい。
 年末近くに来た時は、僕には大変珍しく昼夜通しで出た。昼は通常通り八時五時だが夜は七時から十二時まで、それで通常の夜勤と同じ金額だった。翌日昼間に行きたい集会があったが財政的に厳しいのでどうしようかと思っていた時に昼夜通しと言われ、集会に出られてなおかつ普段より高い日当になると気付いて受けたのだ。終了時間がもっと遅ければ受けなかったし、現場まで車で往復出来、仕事が終わり次第帰って来れる、現場に泊まらずに済むのでなかったら受けなかったろう。もちろん終わったら帰る手段がなくて現場の詰所に泊まる派遣会社の仲間たちを尻目にすぐ帰ったさ。夜の十時を過ぎれば眠くて仕方ない。とっとと帰って早く寝たい。昼夜通しを日常的に行っている人は大勢いるが、よく体が持つものだ。僕にはとても耐えられない。
  作業内容は斫り屋の手元、ガラをひたすら袋に詰めて搬出する、マスクを着けヤッケを着て埃まみれになっての作業である。まあ、いつものことだ。予定では昼夜通しで年内に終わらせるはずだったが、ゴルフ場のお偉いさんが来るから作業中止とかの馬鹿みたいな番狂わせが何度もあって年を越えてしまったそうだ。年を越したらもう夜勤はなしで終わらせることになっていて、夜勤の声をかけられることはなかった。代わりに残業を頼まれた。斫りは年内で終わっているのでひたすら袋に詰めて出すだけだが、広い浴槽の中はガラで埋まっている。墨出し屋が墨を出せるようきれいにしろとのことだが、墨出し屋はだしだし昨日は二時間、今日も似たようなものだろう。基本的には屋内作業で汗をかくほどだが、表に出ると寒い寒い。汗を冷すのだからなおさらだ。夜の気温は二度とか出ている。気を付けないとまた風邪をひいてしまう。
  今月はいろいろあって休みが多くなるので明日も出る気でいた。しかし会社からは、まだ仕事が薄いと手配されなかった。うーん、先行きが思いやられる。
 ところでどうしてゴルフ場に風呂場があるんだ?都内の銭湯より下手すりゃ立派だぞ。多分死ぬまでゴルフに縁なんかないだろうからなんで風呂場があるのか理解出来ずに死ぬのだろうな。もちろんそれで一向に構わん。