茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(378)暑気払い

加藤匡通
七月××日(水)
二ヶ月近く、公共施設の改修工事に通っている。養生・クリーニング屋のN社の仕事だが、基本的には解体絡みの仕事ばかりだ。最初は外周部に敷き詰めたられたピンコロと呼ばれる石を再利用するために洗っていたが、これはすぐに他の作業に変わった。ピンコロそのものは外構屋時代から馴染み深いが洗ったのは初めてだ。次に、解体屋が剥がした体育館で見るような床の板材を集積、ゴミとして搬出をして、今は足場の上で解体屋が剥がした天井ボードを集めて足場の下に下ろす作業をしている。今の作業はボードの粉が舞っていて、マスクが手放せない。
今日はN社の暑気払いがあった。現場でのバーベキューなら何度もあるが、会社単位のものは初めてだ(もちろん外構屋は別。)。N社は固定現場では毎年やっているらしい。去年夏の石綿天井解体現場でもあったが、まだその現場に入って日の浅かった僕には声がかからなかった。場所は最寄駅近くの飲み屋である。バーベキューは酒をやめてから全く楽しくなくなった。現場のバーベキューなんて腹が膨れるほどに食べられる訳でもなく、肉なんかあっという間になくなるのだ。酒が飲めなきゃ楽しくも何ともない。今日の店は食事が美味くて酒を飲めずとも楽しめたが、目の前に料理はまだまだ並んでいるのに食べられないとは残念である。まあ、もう五十になるしなあ。ちなみに飲まないのは十五人中僕一人で、煙草を吸うのは三分の一。建築現場でも喫煙者の肩身は確実に狭くなっている。
みんな二軒目に行きたかったようだが最寄駅のあたりに手頃な店はなかったようで、仕方なく家路についたようだ。この現場の社の平均年齢は多分四十半ばくらいだ。三十代は二人だけ、五十以降が圧倒的である。無理してでも夜遊びしたい歳じゃない。