賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(３８９)自動車のない社会を妄想したい
加藤匡通
十月××日（木）
軽自動車が手に入った。一ト月半車を所有していなかった訳だ。もちろん行動に制約はあったが、当たり前の、本来あるべき状態だったような気がしなくもない。
公共交通が壊滅している地域では自動車がなければ何もできない。だが自動車を手に入れたことは移動の自由を手に入れたことと等号ではない。それに望むべきはエネルギーと金を大量に使っての、資本主義にがんじがらめにされた個人的な移動手段の確保ではないはずだ。可能な限り自動車を私有せず、また個人的に使用しない社会を僕は望んでいるのだが、世間的には全く理解されないだろう。でも、僕は妄想をやめない。モータリゼーション批判は現代社会についていけない負け犬の遠吠えではない。
