茨城不安定労働組合

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賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(常雇?)(407)白線に目が眩んで

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(常雇?)(407)白線に目が眩んで
加藤匡通
六月××日(木)
  昨日、相変わらずの空調設備の現場に入っていて三時の休憩時に設備の監督から言われた。「思ったより進行していないので、明日予定では二人で、一人はコン打ち相番と思ってたんですけど、相番の一人だけでいいかなと。一人開けてもらおうと思うんですが。」躯体の床の型枠かスラブが出来て来ないと設備関係の物の設置は全く出来ない。大工のスピードが思っていたより遅いので明日はコン打ち相番しかすることがない、と言っているのだ。それをこの時間に言うかね? 職長は今日は用事があって休み、派遣会社からは僕一人だ。監督としてはどちらに来てもらっても構わないと。職長に相談の電話を入れてみるが繋がらない。「休みの日は返ってこないんですよ。」と監督。それだと電話が繋がらなくて職長は明日来てしまう訳だから僕が開けた方がいいのでは?「加藤さん明日休みでいいですか?」「今すぐ電話すれば多分明日の現場ありますから大丈夫です。」直前に会社に明日も現場継続と確認したばかりなんだけどな。この時間に人数減らされると手配がつかないこともありうるからやめてほしいんだけどな、こういうの。あんたにゃわからんわな。この監督は平気でこういいことをする。先日四日開けた時もこうだった。
  幸い、派遣会社の手配担当は「加藤さんなら引く手あまたですよ。」と言ってくれた。話半分だとしても嬉しい。最近、ほんとに仕事を続けられる気がしなくなってる。しかし決まった現場は遠くて往復ほぼ三千円、朝の待ち合わせが早いので始発だと言われた。・・・あんまり嬉しくないなあ。
  そして今日の現場である。ゼネコンの一次で派遣会社が雑工として入っている。広い敷地をゆったりと使っている現場は気分がいい。周りにさほど大きな建物もなく、空も広くて圧迫感がない。施設の基礎工事なのでまだ地上には何も立ち上がってはおらず、地下部分の、まだ基礎の配筋段階だ。地下とは言っても都心部の様に構台で蓋をされた薄暗い、あるいは真っ暗な空間ではなく露天掘りに近い、空の見渡せる空間である。構台は重量物を支えるための金属製の台で、鉄骨を組み上げた上に乗せる。構台の上をダンプや重機が走るので極めて頑丈になっている。
 その構台上で一日白線を引いていた。正しくは白線を塗り潰していた、か。構台上には人や車のための一時停止や横断歩道が白線で描かれている。それがだいぶ薄れて来たので塗り直せと言う指示だ。普通、道路だと、えーとあれはコールタール?火で炙って液体にしないと塗れない物を使っているが、構台は仮設なのでそんな耐久性は求められない。なので塗料だと思うんだが硬化剤混ぜてたな。それをローラー刷毛で元々書いてあった場所に塗っていく。塗る前に掃除をしてゴミを取り除き、ガムテープで白線の形に養生をする。量が多いので養生だけで結構な手間だ。で、白線をローラーで塗り潰して行くんだが、赤錆た色の構台の中、塗り終わったばかりの白線のなんと眩しいよ!夏の日差しを思い切り反射して目に刺さる、痛い痛い。これは目に悪い。最近多いなこういうの。
  職長は派遣会社の現場社員。やることが多くて追い立てられてるのか、生真面目なのか、休み時間をろくに取らずに動いている。休憩時間なのに詰所に派遣会社は僕しかいなかったりする。居心地悪いし、こういうのよくないと思うんだけど。残業にもならないって言ってたしさ。