茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(常雇?)(417)『検察側の罪人』

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(常雇?)(417)『検察側の罪人
加藤匡通
十一月×日(土)
  いつもの現場は休日で休みなので別の現場に来ている。この現場は割と近い気がしてラクだ。いつもより三十分遅く起きても問題ない。
 外部の鉄骨階段を、グラインダーの頭をワイヤーブラシに取り替えての錆汚れ落としと言われた。言われた通りにゴーグル、マスクにヤッケも用意して行ったら、始めてすぐに二台のグラインダーの内一台が過熱して使えなくなり、結局僕は外部階段のテープ剥がしになった。つまりクリーニングだ。久しぶりのクリーニングのまあつまらないこと!養生として貼られたテープは踏み固められて取れやしないので一枚刃を使うが、それでも細かく千切れて作業はちっとも進まない。当然、時間が経つのは遅い。いやー、やっぱクリーニングやだ。
 おまけにこの現場、派遣会社がゼネコンの一次で入ってるからかどうも追い立てられているらしく、僕以外の毎日来てる三人はろくに休まない。実に居心地が悪かった。こういう現場にいると結局僕の休憩時間も減ってしまうのだ。そんなことを思う必要はないはずなのに、一人で休んでいると気も引ける。さらに職長は自分より年上の作業員を「仕事が出来ない」と罵り続けていて、これまた居心地が悪い。聞いてる他の業者だって気分は悪かろう。どんだけ仕事が出来るか知らないけど、あんた現場に敵作ってるぜ?
  帰って来てから『検察側の罪人』を見た。そろそろ上映終了らしく、どこも上映は一日一回になっていて見れないんじゃないかと思っていたが、どうにか間に合う夜の回があったのだ。僕からすれば検察なんて罪人ばっかりに決まってる。自分たちの主張に沿わない証拠を開示しないだの、ただの事故を殺人事件に仕立てるだのを繰り返す組織が罪人でなければ、誰が罪人だと。この映画ほど極端乃至明快なことはそんなにないだろうが。自身の行いを正義と信じ込んでいる役人なんて始末におえない。権力を持ってる法律家なんてどれも同じ、傲慢な奴らだ。検察官と裁判官に違いはない。細かいディティールや全くすっきりしない後味を堪能した。でも、原田眞人はあんまり見る気しないんだよなあ。