茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(491)帰りは終電?

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(491)帰りは終電?
加藤匡通
三月×日(土)
   昨日、現場で職長から「明日一時から終電までだって」と言われ、社長に確認の電話をすると「明日その現場他の人が行くことになったから、加藤さん明日休み。」と言われたのが十時だった。じゃあ、と嬉々として予定を立てていると昼にまた職長が「加藤さん明日一時からね。朝は別の現場に行って、それから移動して。」。ひっくり返っただけじゃなく、余計な話まで乗っかってる。朝から働いて残業しろと言うことらしい。勘弁してくれよ。だいたい一昨日までは「土曜は仕事ないから。」って言ってたのだ。社長は人を弄んでんのか?帰りに職長より早く現場を出たら職長から電話があって「明日一時からでいいって。」。やっぱり弄ばれてる。てか、何故直接電話かけて来ない?
   一時からの現場は都心の、延々改修工事をしている、前に搬入で来たところだった。この辺りは日雇派遣で散々来ている。まだ東京に住んでいた頃は数か月通っていた時期もあった。仕事でしか来ない地域だ。

 地下の元請けの事務所にあいさつに行くと知った監督がいた。「今日は何するんですか?」「聞いてないの?」「社長教えてくんなくって。」「荷揚げだよ。」ああ、やっぱり。配管屋は別にいて、V社からの僕たち三人は荷揚げだけ。職人なら怒り出すだろう。「何時まで何ですか?」「三時ころ材料が入ってきて、七時から配管屋が来て作業で、配管ばらして下ろしたら終わりだから、十時十一時?」今日の面子は遠方の者ばかり、距離はともかく時間で言えば僕が一番遅くまで作業出来ることになる。いやいやそれは嬉しくないぞ。

 現場自体は隣のビルで、まず今いるビルの地下にある資材置き場から道具や資材を隣のビルの屋上に持っていく。作業場所は屋上だ。屋上にある衛生配管の交換が作業である。エレベーターは当然使えるので大した作業ではない。で、休憩に入る。元いたビルの地下に戻る。三時過ぎに材料が来ると呼ばれ、地下の駐車場で待機。運送屋が待ち合わせ場所を間違えて一時間そのまま待機するも、材料自体は大した量ではないので、作業はすぐに終わる。また待機。ビル内のコンビニで夕食を買い、食べる。

 そして七時前からが本番となる。材料は一人では持てない物もあり、屋上の移動はちょっと大変だったりするものの、それでも先日の階段での陶器の便器搬入に比べれば物の数ではない。後は配管屋の作業があまり遅れずに進行するのを願うのみ。だから現場でやっぱり待機。ぽつんぽつんと弁だの配管だのがぶつ切りになって出てくるので、それを作業場所から同じ屋上内の集積場所に移す。昼間は暖かかったが夜は冷えるし、屋上はそれなりに風がある。鉄管だのを運んでいる時はいいものの、待機となると少し寒い。

 待機中に見る屋上からの夜景は本当にきれいだ。さすが東京。「いつか、怪獣のいない東京を案内するよ。」って台詞を思い出すよ。あの台詞は昼だけどさ。けど、それでもこんなに明かり要らないだろ?

 九時半に残材の搬出が終了した。配管屋はまだ作業が残っているものの、僕たちの作業は終わりだ。三人とも終電には余裕で間に合う。現場にいた時間の半分どころか三分の二が待機だったんじゃないかと思う。朝も遅いし、こういう仕事はとても嬉しいが、あまり続くと通常作業がどんどん嫌になっていくのが難点だな。待機中につまんない学習会のテキストを読み終え、次の本に移った。

 さて、問題は月曜だ。現場終わってから『シン・エヴァ』見て翌日また四時起きはきついんだけど、初日に行かないってのは考えられない。ああ、月曜仕事なければ一回目で見れたのに。