茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(社員?)(535)完全週休二日の現場

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(社員?)(535)完全週休二日の現場
加藤匡通
十月×日(水)

  埼玉の現場に入った。都内で日雇い派遣をしていた頃も含めて埼玉に仕事で来た記憶はあまりない。神奈川もない。圧倒的に千葉が多い。
 工業団地の中にある五階建ての施設である。作業員は四百人弱入っている。現場が大きいので衛生だけで元請けが五社入っている。U社はその下請けだ。V社からは僕一人、当分こんな状態が続くらしい。
 何をするのかとびくびくしていたが、幸い正しい情報が伝わっていたらしく、高所作業車での天井配管の手元だった。
 詳しく言えば配管の前段取りの、配管を吊るためのアンカー打ちの手元である。一人で高所作業車を操作して材料を用意してさらに高所作業車の周りをカラーコーンとコーンバーで囲って、をするのは大変だから手元が着く訳だが、正直一人でも出来る。とは言え安心した。配管しろとか図面読んで寸法出しといてとか言われたらどうしようと思っていたのだ。
 この現場は施主が誰でも知ってる大企業だからだろう、土日休みの完全週休二日制である。その代わりに法で定められた休日は出勤となっている。

  土日休みと言われれば 収入が減るにしたって僕は大喜びだ。仕事なんかしなくったってやりたいこと、やるべきことはいくらでもある。だが完全週休二日の職人への受けはかなり悪い。基本的には圧倒的多数は日給月給、稼働日数が減れば収入も減る。休日が増えても喜ぶ者は少ない。僕が聞いた範囲ではみんな土曜も出たがっている。仕事が好きなのか金が好きなのかは、区別出来ない。

 以前八時間労働を攻撃していた職人がいて、彼の言い分は「俺はもっと働いて稼ぎたい。」だった。そんなに働きたいのなら一日三十時間でも働けばいいさ。でもあんた一人でやってくれ。
 まあ、給料が上がる訳でもないのに休みばかり増えても、と思うのはわからなくはない。だがこの場合給料を上げずに休みを増やすと言う考え方が問題なのであって、休みが増えるのはいいことである。国や経済界がどう考えていようと、私たちは働くために生きているのではない。

 フィンランドが週休三日を検討、は誤報だったそうだが、検討すればいいのだ。三十年以上前の選挙に四時間労働を掲げていた政党があった。どちらも断固支持する。