茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(社員?)(530)社員だと?

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(社員?)(530)社員だと?
加藤匡通
五月××日(金)

 四月終盤になってV社の仕事が戻って来た。都内の現場に通っている。
 新築の建物の衛生配管だが、V社からは僕一人である。新しく付き合い出した会社らしい。当然僕は手元、 道具を渡したり言われた寸法通りに配管を切ったり、誰でも出来ることをしている。
 このU社の人たちはみんな穏やかで、そろそろ一ト月になるが大声をだしているのを見たことがない。建築現場だと、いやこれは現業全般でそうなのかもしれないが、何人かいれば一人や二人、場合によっては全員が他人を怒鳴りつけていてもおかしくはない。だがU社だと僕が指示を理解しなくても、内心はともかく、穏やかに説明をしてくれる。ありがたいし、何より気が楽だ。U社の職人たちの爪の垢を煎じて飲ませたい奴らは本当にたくさんいる。もっとも、それは現場の人間とは限らない。
 現場には二百人程が入っている。僕は衛生の元請けからすると四次になる。この現場では一人親方には規制がかかっているらしく、U社からは社会保険をかけていないと入れないと言われたと言う。社員じゃないと現場に入れないと言うことだ。なので社長はこの現場にしばらく入ることになると説明する際に、「加藤さん社員にするから。」と言った。こちらの意向はお構い無しである。さらに「社員にするのに九万かかってるんだよ!金かかってるんだから、加藤さんこれまでみたいに休まないでよ。」。実に立派な反面教師である。
 社員たって契約社員とかアルバイト社員とかいろいろあるし、何よりV社の都合で突然社員にされた訳で、U社の仕事がなくなったらまた一人親方に戻されるんじゃないかと思う。何年振りかで社員になったのに(派遣会社の終盤は無期契約で社会保険がかかっていたが、あれは社員扱いではなかろうか?)、まるで嬉しくない。
 とりあえず休みは好き勝手に取る!と言いたいところだが、現場の都合には合わせるさ。