茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

生存のための生活保護申請

以前、茨城県で派遣切りに遭ったSさん(東京在住)からの紹介で、県西のX市在住のMさんの相談を18日(金)にTX守谷駅前で加藤・菊地で受けました。

Mさん(51歳)は、関東出身で派遣会社(T工業)に登録して狭山−土浦−太田−下妻−真岡などで15年ほど働いてきました。今年2月28日でX市内の企業を最後に派遣会社を解雇され、寮も3月15日までに追い出されてしまいます。仕方なく雇用保険を受給し、ハローワークの紹介でX市の市営住宅に緊急入居。6ヶ月の期間限定で風呂桶も照明器具もない部屋に住みながら就職活動し、50〜60件面接を受けましたが仕事が決まらず、入居期限の9月を過ぎて、1ヶ月毎の延長を続けてきましたが、いよいよ年末で退去しなければならないとの相談でした。
Mさんは、栃木県宇都宮市など遠方まで自転車で面接に行くなど、就職の努力を続けてきましたが、この不況下でどうにもならず、雇用保険の受給期間終了も来月に迫り、仕事のめどが立たず、部屋の確保もままならないため、とりあえず生活保護の申請をする方向で、21日(月)に全国で行われる「ワンストップ・サービス」で相談をすることにしました。

しかし、地元のハローワークで行われた「ワンストップ」では、X市の社会福祉課の担当者からは、民間住宅を新規に借りることを前提に家賃補助や生活費の貸付を薦められ(保証人が立てられず、保障協会の審査も通らないので現実的でない)、市営住宅については市の担当者(建築課)は来ていないため相談も出来ず、生活保護については「宇都宮市に行ったらどうか?」などときちんとした対応をしてもらえませんでした。

そこで、22日(火)にMさんと菊地がX市社会福祉課に出向き、生活保護の申請を行いました。生活保護申請の意思を告げると、対応した課長?は「拒むことはできないなぁ」とあきらめ顔で、受け付けを承知。しかし、住むところについては紹介できないとし、市営住宅についても個人で建築課に相談してくださいと言う。つまり、福祉と住宅はまったく連携していないということ。
仕方なく、先に2人で駅前の建築課まで移動して市営住宅の契約延長をお願いし、再び生活福祉課へ戻り、若い担当職員が対応して申請の相談をしました。12月、1月に雇用保険がわずかながら残っているので、正式な申請は1月の半ばにすることにして、とりあえず必要な事情聴取などを終わらせました。

相変わらず、各市役所での「水際作戦」(生活保護の申請を受け付けないか他の制度に誘導する)は、あからさまです。Mさんも、ワンストップで市営住宅の期限が切れそうだから生活保護を申請したいと相談したら「まず住宅を確保してください」と言われたそうです(住宅がなくても申請はできるのに!)。また、同じ市役所でも福祉と住宅は全く切り離され、ワンストップでも何でもありません。しかも、市営住宅ではX市に限らず、風呂桶や照明器具がありません(わけのわからない慣例でそうなっているそうです。市内には銭湯もないのに!!)。

茨城不安定労では、労働相談と同時に(それ以上に!)生活相談を受けています。
県内では本当に仕事がなく雇用は壊滅状態で、生きていくことが出来ない人がますます増えるばかりです。
生活保護憲法で全ての人に保障された生存権を具体的に実現する制度です。ギリギリになる前に積極的に利用していきましょう。ご相談ください。