茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

日雇い派遣日記(3)

                    加藤匡通

十二月××日(水) 学校のクリーニング

 世間は休日になっているが働かないと正月休みを越す金がないので仕事を入れた。決して働き者なのではない。
 都心部の義務教育公立校新築工事のクリーニングに入る。内装も仕上がっていて、終わっていないのは校庭だけの状態で、消防検査前のクリーニングで呼ばれている。とはいっても本格的なクリーニングはN社本体が行い、僕たち五名は床のダスキンがけがメイン。新築の床は工事中なのでいろいろごみやほこりなんかが落ちているものの、まあ楽な作業ではある。これが予定より早く午前中に終わってしまい午後は室内の棚をひたすら水ぶき。手が痛い。こっちはちょっと辛い。
 消防検査とクリーニングにどんな関係があるのかとこういう作業の度に思うが、現場内がきれいに掃除されているかどうかで消防署員の反応も違うらしい。汚いと印象が悪くなって余計な指摘事項が出てくるんだとか。なんだか悪しき精神主義のような気がするんだけど、現場がきれいな会社は事故も少ないし仕事もしっかりしているとはよく聞く話だ。
 最近の学校は密室がなくなっているようで僕の知っている教室とは全く別物、見通しのいい開かれた空間ばかりになっている。廊下と教室の区別がつかないくらいだ、といったら少々大げさかもしれないが、そんな感じ。木材を多用した内装、外観もピカピカで金がかかってるのがよく分かる。高級住宅地の中にあるからなのか、と勘繰るとちょっと考え込んでしまうが、教育に行政が金を使うのはいいことではある。