茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

日雇い派遣日記(19)

                 加藤匡通

四月×日(土) また銭湯がなくなった

都心部の再開発地域に来ている。今日の仕事は建物が建つ前のブロック積。隣との境界のブロックは先に積んどかないと身動きが取れなくなるようなつくりらしい。
元々は都心の下町だったが近年再開発が進み、昔ながらの家並は虫喰い状態、やたらと高いマンションが林立する足元に小さな家が密集している街になってしまった。十年前、これらのマンションの一つを作りにしばらく通っていたことがある。今日の現場はすぐ近くのはずだが巨大なマンションたちは区画を変えてしまい、どこがどこだったかにわかには分からない。確かあそこに古本屋が、それに銭湯も。
都内で日雇派遣やってた頃は帰りに近場の銭湯によく入っていたが、二年空けてそのあたりに行き、確かこの辺に銭湯が、と探すと半分はなくなっていた。ここもなくなったみたいだ。『東京銭湯お遍路MAP』という東京都公衆浴場業生活衛生同業組合発行の便利な本があって、三年前のデータなのがちょっと難だが、最近現場近くの銭湯を探すのに重宝している。この本をチェックしてこなかったので近くの他の銭湯の位置は分からない。今日はあきらめよう(後日改めて歩いたらすぐ近くに一軒あった。百メートルも離れてない。利用者がそれだけいるってことだけどびっくりした。)
こんなにすごい勢いで銭湯なくなって、確実にいる風呂なしアパート生活者はどうすればいいんだ?都内はまだしも(とは言っても二十三区内でも二十分歩いても銭湯にたどり着けない地域は珍しくない。)地方なんか大変。茨城だって風呂なしアパートもあるし、何らかの事情で風呂が使えない場合もあるのに、銭湯ほとんどないからね。