茨城不安定労働組合

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日雇い派遣日記(82)靴が次々駄目になる

二月××日(土)

               加藤匡通

 現場で履いていた安全靴が駄目になったのは一ト月以上前のことだ。年末だったかもしれない。仕方なく長靴を履いていたが、その長靴もだいぶくたびれてきて両足とも口が開いてしまった。水が染みるどころかはっきり入ってくるし、石ころや土も入ってくる。その安全長靴は今現場で最終日にまとめてゴミとして出されるのを待っている。
 冬場の通勤は靴で、しかし通勤用の靴も踵がすり減り穴が空いてしまった。さすがにもう無理なのでこちらもゴミとして出されるのを待っている。仕方ないのでこの数日、通勤にはデモ用のくるぶしまである安全靴を使っている。半長靴と呼ぶのかな?寒いと踵が割れて痛いので下駄での通勤はさすがに控えるようになる。この安全靴ももともとは日雇派遣で解体現場に行った際に支給されたものだ。その後すぐに茨城に来たので安全靴は仕事で使う機会がなく、まだ履ける状態である。かつての本業では作業時は泥水の中での穴掘りだったからもっぱら安全長靴ぱかりだったので安全靴の出番はなかったのだ。
 現場では、新品で捨てられていた安全長靴を回収して使っている。だってもったいないじゃん!足丁度入るし。捨てられているものを再利用しようとすると警察沙汰になる御時世になってしまったようだが、何がいけないものか。墨田区京都市も底辺にやさしくないリサイクルならやめてしまえ。が、これにもなにやらひびがはいきたような。まだ一ト月なんて全然たってないのに。長靴は毎日履き続けると劣化が早いよ。茨城で安全長靴履いてた時はこんなに早く駄目にはならなかったのに、と思ったがあん時は穴掘りの時だけ安全長靴で丸一日履いてた訳じゃなかったか。
 なら愚痴ってないで安全靴買えよって?週払いから月払いへの移行中で給料日前、交通費の工面で精一杯、とてもそこまで手が廻らないよ。あと一週間がまんすれば…(一週間がまんしても事態は好転しない目処は立っている。通常の家賃光熱費に加えてこの間の借金返済、さらに自動車保険労災保険の支払いが待っている。月払いの意味がでてくるのは何ヶ月先だろう。ちなみに誤解している人がいるようだが今回の移行は定額の月収への移行ではない。日給月給、日当×働いた日数である。つまり僕は相変わらず日雇いだ。)