茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(341)安全靴を忘れる

加藤匡通
五月×日(木)
ゴールデンウィーク後半戦だがもちろん働いている。後半前にはデモ申に行ったが、流石サミット、県警警備部が出て来た。名乗らなくとも名前知ってたけどそれは当然なので驚かない。平日をそうやって潰してるんだから旗日は働かないと。
断続的に通っている現場に三連休の初めと終わりだけ入った。三連休三日ともの出勤を希望したが真ん中の日は手配がつかなかった。と言うか連休で休む者の代わりに突っ込んだらしく、現場で朝イチに言われたのは「あれ、なんで加藤来てんの。」これは派遣先のR社の人間ではなく派遣会社の人間、現場ではR社の職長に次ぐナンバーツーだ。あんたに呼び捨てにされる謂われはないと思いながら「連休出たいって言ったからじゃないすか。」と応えると「代わりの人間いらないって言ったのに。」と返された。「じゃあ帰りましょうか。」と言ってやろうかと思ったがやめといた。連休の収入を丸ごと失いかねない。
この日は簡単な養生だった。来月末には引き渡しなのでもう出来上がっているところが大部分、室内は上履きが基本となる。仕上がっていても建築現場なので何かしら落ちている。踏んで怪我すると面倒なので靴を履けと言うゼネコンが多い。靴下だと足跡が着くと嫌がられもする。そうわかっていながら上履きを持って行かず、現場であわてた。幸い一緒に作業していたベテランはうるさいことを言わず、職長にもバレずに済んだ。派遣会社から連絡があった時に確認しなかったのが敗因である。何も言わないから大丈夫だろうなんて派遣会社を信用してはいけないのだ。
さらに今日。朝礼に向かおうと安全帯をつける際に足に金具を落として気付いた。爪先に鉄板が入ってない!スニーカーじゃんか。これはまずい。上履きならまだ裸足で済む、と言うか対処のしようがあるが、安全靴を忘れればこの現場だとかなりの率で退場だ。職長だのリーダー連はもう朝礼会場にいる。周りには作業員ばかり。「靴間違えた。」と言うと口々に「黙ってろ。」と返す。うん、そうだな。なくて困る作業では全くない。わざわざ自己申告しなけりゃバレない。びくびくしながら一日過ごそう。
ヘルメット・安全帯・安全靴は基本的な装備で、現場に余ってる分でもあればともかく、忘れたら返されても文句は言えない。今日の敗因は勘違いである。玄関にある黒いスニーカーを同色の安全靴だと思い込んで履いて来たのだ。下駄履きなら安全靴はリュックに入れっ放しなのでこんなことは起きない。ああ、金と時間を作って下駄買いに行かないと。