茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

日雇い派遣日記(90)県内映画館の現状

三月××日(水)

                加藤匡通

 毎日使っているリュックのファスナーが壊れた。きちんと閉められなくなってしまったのでまた買わなくてはならない。やっぱり重すぎるんだろうか。いつもは取っ手が取れてしまう。まだ大丈夫そうだと安心してたんだけど。半年かよ。今月来月と自動車保険労災保険、家賃の更新が重なってほぼ一ト月分の給料が出て行くので、新しいカバンだかリュック買えるかどうか。財布は明らかにパンクしている。
 震災の影響で今月は一本しか映画を見ていない。なんだか財布のパンク具合からすると震災とは関係ない気もするな。今回の震災で公開が延期された映画が数本あるが、こういった自粛は実に腹立たしい。「空気を読む」そのものだ。それも『四川大地震』はまだわからなくもないが『カウントダウンZERO』の公開延期はどこらかどんな横槍が入ったのかと勘ぐってしまう。これ、まさに今必要な映画じゃないのかよ?核関連のドキュメンタリーなんだぜ?だが延期がもっとも残念なのは『世界侵略:ロサンゼルス決戦』である。宇宙人による都市破壊が存分に楽しめるのに!殺人事件があるとホラー映画が上映中止になったりするのと同じなんだろうけど、世の中の人には現実とフィクションの区別がつかないのかな?
 こういった意味のない自粛もさることながら、「がんばれニッポン」の大合唱もうるさくて仕方ない。今の状況でこういわれるとなかなか反対意見が言いづらくなるが、しかしそれでも国民統合なぞ知ったことかとは言うべきだ。みんな一緒なんてろくなことになりはしないよ。それは被災者の生活の安定や被地の復興、状況の一刻も早くの沈静化を願う心情とはまったく別のことがらである。災害時の異論を封ずる形でのナショナリズムの高揚は僕たちをどこに連れて行くのか?すくなくとも僕はそんな道連れごめんだな。行きたきゃ勝手に行ってくれ。…勝手に行かせる訳にもいかないか、止めなきゃな。
 だいぶ横路にそれた。さて本題。震災当日翌日は多分県内の全映画館が休みだった。少なくとも僕のよく行くシネプレックスつくば、ワーナーマイカルシネマズ守谷、ムービックつくばは休みだった。
 どれもシネコンだ。このうちシネプレックスつくばは日曜日には営業を再開したが月曜から例の計画停電のあおりでまた休館、しかしまた営業を再開、ほかのニ館は休んだまま現在にいたる。僕の生活圏にある映画館はこの三つ、自宅から三十分圏内でもう一ヶ所あるがそのもう一ヶ所岩井シネマサンシャインも休館中。県南はいまでは県内随一の映画館の多い地域になってしまい5つある。しかし三十一日現在営業しているのはシネプレックスつくばとむかしからある土浦セントラルシネマズだけ。他に県西のイオンシネマ下妻も営業しているようだ。被害の大きかった水戸やひたちなかの映画館が休館中なのは分かる。しかし県南でも休館の方が多いとはどういうことだ。まあ、シネコンの入っているショッピングモール自体が閉まっているところが多いので仕方ないのか。
 今回の地震で前から行きたかった県内のピンク映画館、水戸銀星劇場と宝来多座が一度も行かないうちに閉館してしまわないかと心配している。こんな時にピンク映画館の心配なんかするなって?自分の欲望を自粛する気なんかないさ。