茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(106) 仕事帰りのひとっ風呂(願望)

加藤匡通
七月××日(月)
  現場が終わって、ひとっ風呂浴びたくなった。とにかくこの時期はただ外にいるだけで汗をかく。現場仕事なんかしてたら仕事中でも入りたいくらいだ。仕事帰りに風呂に入りたくなるのは当然だ。風呂に入ってから自宅に帰るまでにまた汗をかくにしてもとりあえずさっぱりしたいのが人情である。つーか自宅に風呂がなければ夏場は汗を流しに銭湯に行って部屋に戻る間にまた汗をかくのが当たり前なのだ。自宅に風呂がある生活になったのは今世紀になってから、それまでは銭湯でさっぱりして汗かきながら自宅に帰ってくる生活だった。
 現場近辺で銭湯はまだ見つけていない。スーパー銭湯はあるようだがそんなもんに関心はない。あれは遊びに行くところだ。この辺りなら銭湯あるだろ、と帰り道のコンビニで聞いてみた。新興住宅地でなく安アパートの多い街だから銭湯はあるに違いない。そんなことを聞く客がそもそもいないのだろう、店員はバックヤードに銭湯の位置を確認しに行った。「この辺にはないんですが」といわれたので諦めようかと思ったら「五分十分歩いたところにあります」あなたそれは充分歩ける距離だよ。道順を聞いて歩き出す。埼玉の銭湯には入ったことがない。どんななんだろうと思いながら五分も歩くと煙突が見えて来た。あれ、煙上がってないぞ。マンションに入っているようなタイプではない、昔ながらの一軒屋の建物が見えて、でも電気点いてないぞ。入口が分からずぐるっと一周、シャッターが下り、月曜定休の文字が目に入る。あーあ、またですか。そこから二軒目を探す気にはならず、仕事帰りのひとっ風呂は諦めた。