茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(看板に偽りあり)(115) 土砂降りでコン打ち中止

加藤匡通
八月××日(金)
 土間コン打ち、しかもタイル下地なんかじゃなく刷毛引き仕上げが午後イチである。刷毛引きは、ある程度コンクリが固くなったら掃除に使うT字箒なんかで跡をつける仕上げだ。これをすると滑らない。コンクリはきれいに仕上げるとツルツルになってよく滑り危険である。当然雨が降ったら雨粒で表面が叩かれて凸凹になってしまうので出来ない。これが例えばタイル下地やブロック基礎だと表面をきれいに仕上げる訳ではないから多少の雨でも打ててしまう。今日は午後から強い雨の予報、降ったら代わりの作業あんのかな?と思いながら出て来た。みんな天気予報は気になっていたようだが朝イチは晴れで三十度を超えている。前回台風で連休になった時は時折雨足が強くなる程度でやれば出来たこともあって半信半疑だった。
 しかし九時を過ぎると空が暗くなり冷たい風が吹き始める。午後から雨じゃないのかよ、と思っていると車で十分の現場は既に土砂降りだと電話が入る。十時になったが今にも降り出しそうになってきたので電動工具を片付け雨養生をしてやりかけの作業をしてしまう。と、いいタイミングでぽつりぽつりと来た。たちまち土砂降り。目の前四、五メートルにある車へ物を取りに行くだけでずぶ濡れになりそうな降り方だ。
  休憩を兼ねて雨宿りをしていたが雨は夕方までやみそうにないので午後のコン打ちを含めて作業は中止になった。まだ十一時前だよ。
 Y社の他に人はいないのでY社が帰って誰もいなくなった現場で早弁して(高校生か!)、さて映画でも見に行くかと情報誌を探しに本屋へ行き、最早そんなものがほぼ絶滅していることをあらためて確認してしまった。仕方ないので記憶を頼りに携帯で検索、都内を横切って『スーパー』を見る。悪くはないけど同じテーマの『キック・アス』の方が洗練されてておもしろい。時間があればもう一本見たかったが夜は用があったので一本だけで帰った。