茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(看板に偽りあり)(159)インドシナ侵略反対 国際反戦デー

加藤匡通
六月×日(日)
気が付いたら、大学を出た年齢からさらに二十二年、大学を出るまでの時間が二回転することになる。その分成長したのかと言えばもちろんそんなはずもない。高校生や大学生の頃の僕が今の僕を見たらなんと言うだろう。全否定されそうで怖いな。
図書館にビラを置きに行った。最近図書館へは本を借りたり読んだりではなく、ただただビラを置きに行っている気がするな。入口にリサイクル本のコーナーがあって、その中に高橋和巳の『孤立無援の思想』があって、とりあえず手に取ってみた。ちなみに高橋和巳は一度も読んだことはない。ぺらぺらめくってみたら薄茶色の紙がはさんであった。わら半紙だ。長いことはさんであったのだろう、はさまっていたページには紙の色が移っている。謄写版で刷られた手書き文字を読まずとも、ビラだと分かる。
  「10・21 インドシナ侵略反対 国際反戦デー 私たちは、ニクソン、佐藤政権の戦争政策にストライキで抗議します 日本出版労働組合協議会」とあって、裏には日本出版労働組合協議会を構成している単組の名が記されている。当然この手のビラには発行年月日なんか記載されてないからこれが正確にいつのものなのかはビラの内容を細かく分析してみないと分からないが、四十年ほど前のものだ。多分、僕とほぼ同い年だろう。ここに名を連ねている組合のうちどれくらいがまだ存続してるんだろうとか、「インドシナ侵略」って珍しい言葉使いだと思うけど、この日本出版労働組合協議会は総評傘下なんだと思うけどどうなんだろうとか色々考えるけど、やはり当時はこんなことが出来たという驚きが一番強い。今やストなんて自分たちの要求のためでも打てやしない。反戦労組かあ、僕たちもそういう方向に行きたいなあ。
持ち主が亡くなって家族が図書館に寄贈した本なんだろう。そういう本は実は多いそうだが贈り主の望んだ通り図書館の棚に並ぶかと言えばさにあらず、こういった形で放出されることが多いのだそうだ。図書館の棚に本が一冊並ぶのには膨大な手間がかかる上に場所も限られているからなのだとか。僕の本はどうしようか、なんてことはまだ考えない。