茨城不安定労働組合

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賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(232)型枠解体の手元

加藤匡通
十一月××日(月)
  相変わらず同じ現場、同じ型枠大工の下で働いている。ただやることは変わった。建物本体のコン打ちは終わりに近づき型枠大工は三十人近くいたものが半分以下になり、大工のために部材を動かすことはなくなった。今は型枠大工の下の解体屋の手元になっている。コン打ちが済んで役目の終わった型枠を解体する職種だが、大工が自分たちで解体する場合も多く、型枠大工がいるからと言って必ずしも解体屋がいるとは限らない。解体した部材は場所を変えて大工がまた使う。ついこの間までは解体屋が解体した部材を大工の要望に添って運んでいた訳だが、今解体している分はこの現場での再利用はもうないので、返却のための段取りをしている。ま、どっにしろ部材の移動と集積には違いない。
  しかしこれがまたきつくてなあ。解体屋滅茶苦茶飛ばすんだよ。ばらした部材が次々に手渡され、正しい置き方で組む余裕なんかないので邪魔にならないところに種類別に放り投げ、それを後できちんと組むんだけど、組む時まで煽ってくる。コンパネや端角は釘が付いたままでうっかりするとかぎ裂きを作ったり、手や肩に刺したりするし、サポートは収納部分が突然引っ込んで指を挟んだりする。サポートなんて天井を支えるための仮説材で重い鉄の塊だ。挟めば軍手の上からでもかなり痛い。土日は連休だったが肩の痛みは取れないままだ。それどころか両腕の上腕も、腕を上げるたびに痛むようになってきた。肩に担ぐことが多いからだろうが、気がついたら両肩の丁度荷が当たるところにはかさぶたが出来ている。こんなの初めてだよ。俺の体、そんなになまってんのか。
  とは言えこの現場も今週いっぱいらしい。ふう、やっとか。体休めたいよ。来週の仕事がどんなだかさっぱりわからないけど。
  都心部まで出ていないので給料は振り込みにしている。派遣会社は都心にあるので、今の現場からだと交通費片道分が振込手数料と同じくらいだったと思う。用事があって都心まで行くならともかく、わざわざ給料取りには出ない。今のところどうにか週一回の振込で保っている。このペースが崩れないうちに就職出来れば。