茨城不安定労働組合

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賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(303)何もすることのない三人目

加藤匡通
三月××日(土)
  比較的近い現場に入った。衛生JVの仕事、衛生は上下水道と空調関係の総称、JVはジョイント・ベンチャーの略、企業共同体である。車で行けるとやっぱりラクだ。朝だって負担は四時半置きが六時で間に合うもんなあ。
  しかし現場で朝礼後、「今日はこの人についてもらうから」と割り振られたら当の相手は「え、今日頼んでないよ。」おっと、久し振りだぜ手配ミス。こりゃ現場なしか?と期待してしまった。派遣会社からは四人、一人は全くの別班、二人はこの現場に常駐、僕はこの日だけ呼ばれている四人目なのだが元請けの衛生JVの監督が、すべき作業がなくなったのに手配を取り消さなかったらしい。この流れは通常なら作業がないのだから元請けは人区代を払わず、従ってすぐ返されるパターンである。金はほとんど入らないが(今いる派遣会社は交通費実費しか出さない。これは会社によってまちまち。)働かなくていいのだから悪くない。そう思っていたら「じゃあ三人でやろうか」と常駐している派遣会社の職長が言う。ええ、帰れないのぉ〜。
 そうは言ったものの二人しか手配していないのは二人区分の仕事しかないからである。僕はほぼ、何もすることのない三人目として二人の作業を眺めているだけの役となった。役所の立会とかがたまにあるけどまるでその立会人、二人が型枠に穴を開ける位置を出すための墨出しをしているのを、何もせずぼーっと突っ立ってるだけ。移動の際に道具を持つくらいで本当に手の出しようがない。ラクでいいだろうって?時間が経つのが遅いことったら!頼むから適当に動かしてくれ、でなきゃ帰してくれよ。
  それが昨日の現場の話。今日は新築ビルの基礎となる場所にいてガラ出しをしてる。既存の建物の基礎を完全には壊さないで再利用する、けどある程度は壊す、その壊す方の片付けだ。斫り屋が基礎のコンクリを斫った後のコンクリガラをスコップで集め屯袋に入れる。埃だらけノロだらけで一日スコップを振り回し続け、左肩が痛くなってきた。それでも昨日よりましだ。