加藤匡通
三月××日（月）
現場で、兵役拒否ないしそれに近いことをした人々についてのルポ『戦争拒否 １１人の日本人』と言う本を読んでいた。クリーニングの応援で呼ばれた現場で派遣先自体今日が初日、彼らも実は作業の詳細を知らなかったりする。派遣先から二名、派遣会社から四名、さらに作業員ではないものの派遣先の番頭が二名も来ている。どんだけ力を入れてるんだって感じだな。その二名の年上の方、僕より少し上の五十初めの番頭が僕の読んでいる本を見て言った。「俺と同じだな。俺が十二人目になるか」「いいですねぇ、ぜひお願いします。」もちろんただの軽口だろう。けどいいじゃないか。こんな他愛もないことすら言えない職場は多分もういくつもあるんだぜ？
この現場は極めて特徴的なところなのだがあまりに特徴的過ぎてどんなところか仄めかすことも出来ない。うまくぼかして書く技量は僕にはない。書ければ面白いんだが、残念だ。
