茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(社員?)(533)あなたは仕事が好きですか?

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(社員?)(533)あなたは仕事が好きですか?
加藤匡通
九月×日(水)
 先日古くからの友人と会った時のこと。

 友人は毎日ではないものの、派遣で働いている。今は人手が足りなくなると全部派遣なので、コンビニやらイベントの誘導員やら何でも派遣になっている。彼女もそうした派遣でいろんな仕事をしている。面白い話はいろいろあるが、それを語るのは僕の役割ではない。

  仕事をしたい日を事前に申告して、仕事があると前日にメールが来るシステムだそうだ。予約した日に仕事がなければメールは来ない。仕事のメールが来るのは二時頃だと言う。「その時間になると電話来るな!って思うんだよねえ。仕事ないと困るんだけどさあ。わかる?わかる?」「わかる!僕の魂の叫びを代弁してるよ。」仕事は生きていくのに必要な金を稼ぐためのものであって、出来ればしないでいたいものという感覚を僕とこの友人は共有している。僕たちにとって楽しいこと、好きなこと、やりたいことは仕事ではない。この感覚は当たり前ではないのだろうか?みんなそんなに仕事好きか?

「はたらいて、笑おう」と言う広告を見たのは数年前の新宿駅西口だった。これを書こうと調べたら企業のスローガンらしい。仕事で磨り減っていた時期だったので余計に頭に来た。笑えねえよ!この社会で働いて笑えるのは極一部だけ、大部分の人間は働いて磨り減って潰れていくだけだ。そう思うのは今でも変わらない。だが、働かなければ社会は維持されないし、富も産み出されないから、社会の側は可能な限り多くの人を働かせようとする。

 今、電車の広告に「働く人に、働く自由を」と謳っているものがある。プライベートオフィスと言うのか?最近、駅の中に電話ボックスみたいなものが設置されているがあれはその中で仕事をするための物で、その広告だ。「通勤時間はあなたの可能性である。」とあって「働く人に、働く自由を」とつながる。僕にとって通勤時間は寝るか読書の時間であって断じて労働時間ではない。いや、法律上は通勤時間は労働時間に含まれるが、しかし労働をする時間そのものではない。ここで言われている「働く自由」とは磨り減って潰れていく自由だ。しかしそんなものが自由であってたまるものか!お前たち、一体いつまで人を働かせるつもりだ。「二十四時間戦えますか」はバブルの話で、実際にはその頃だって有り得なかった。

 アウシュビッツの入り口には「労働は自由への道」と掲げられていた。アウシュビッツが正しいと思う。