茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(社員?)(544)寝坊

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(社員?)(544)寝坊
加藤匡通
二月×日(水)
    寝坊した。目が覚めたら六時過ぎだった。この段階で普段乗る電車の次の電車も出ている。今すぐ電車に乗れれば朝礼に間に合うかもしれないが、どこでもドアなんか持ってない。こりゃ遅刻だな。ん?どこでもドアなら駅じゃなく現場に行きゃいいのか。
 仕事に寝坊なんて一体何年振りだろう。二十代の会社員時代も日雇派遣の時も、酒を飲んでた頃は珍しくなかった。最終的にはアルコール依存症と診断されるに至る訳だから、寝坊で遅刻は可愛い方である。だが酒をやめてからは寝坊で遅刻なんてほとんどない。ましてや茨城に来てからは、いやほんとにないんじゃないか?
 一階に下りると母はまだ寝ていた。僕が下りてきて目を覚ます。普段は朝食を用意してあるが、当然ない。いやいやお母さん謝んなくっていいから。しょうがないから。コーヒーも飲まずに、いつもより一時間遅れて家を出た。それでも六時半なので電車にはまだ座れる。
 夕べそんなに遅くまで起きていた訳でもない。毎晩六時間寝たいと思いつつ、五時間前後眠っているが、昨日も同じような時間に寝ている。特に疲れている訳でもないと思うんだけどなあ。
 一時間遅れて家を出たので当然一時間遅れて現場に着いた。七時過ぎに職長と相方の職人には電話を入れてある。
 十時の休憩の時、相方の職人は言った。「誰だって寝坊くらいしますよ。僕はしませんけどね!」ええ、僕もそう思ってましたとも!