茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(557)夏休み継続中

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(557)夏休み継続中
加藤匡通
八月××日(日)
 夏休み九連休は、先が見えないからと言って行動が変わるはずもなく、映画と運動で終わった。
 休み明けの現場はやっぱり簡単な作業で二時には現場を出ていた。V社は僕を除いた三人が残る。この先の予定はない。時期がずれただけでこの三年、こんなふうに仕事にあぶれるのが当たり前になっている。日雇派遣だった頃はあぶれたことはないのに、皮肉なものだ。それでも収入は今の方が多いのがまた腹立たしい。真面目に毎日働かなくっていいって誰かが教えてくれてんのか?
 連休中に「新午前10時の映画祭」でやっていた『地球防衛軍』や『アルゴ探険隊の大冒険』を見た。どちらも特撮が売りのスペクタクル大作、映画館で見るのは二十年三十年振りだが、どちらも映画としてはイマイチだった。科学者を中心にした超兵器合戦も、略奪・侵略行為を怪獣大会として描かれてももう楽しめない。大人になっちゃったってことなのかなあ。
『アルゴ探険隊の大冒険』は『王女メディア』と同じ話だがいろいろと正反対な映画である。ガイコツ剣士は捨て難いものの(本当に捨て難い。あれを人形アニメでやってるんだから凄い。)、どちらがおもしろいかと聞かれれば『王女メディア』と答えてしまう。『アルゴ探検隊の大冒険』の出来事は『王女メディア』の三分の一くらいでイアソンとメディアにはあの後凄惨な人生が待っている。それでも神々にゲームの駒のように玩ばれる冒険行よりは。
 横浜まで出て『世界大戦争』も見た。あまり上映の機会がなくて、やっと映画館で見た。もう五十を過ぎてるから、見損ねていた映画は目の前の機会を逃せば見ないで死んでしまう可能性が高くなってる。同時代に世界的に作られていた冷戦下の核戦争を描いた一群の映画の中でも、世界中の都市が核攻撃で砕け散るさまを正面から映している特異な映画である。世界が滅びる瞬間は円谷英二の特撮による見世物になっているが、正直今となっては神の視点だけで構成された特撮はかなり物足りない。むしろ以前ビデオで見たときには善人ばかり出てきて鼻白んだ本編の方が、まるで東西どちらにも属さずにいるかのような日本政府の描き方とかには呆れたものの、おもしろかった。これも馬淵薫脚本なんだよなあ。
 劇中にフランキー堺の台詞で「貧乏人は先のことを考えずに遊んでるからなあ。」というのがあって笑った。はい、その通りでございます。