茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(459)天井裏のダメ直し

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(459)天井裏のダメ直し
加藤匡通
四月××日(金)
    今月初めから通っていた就労表のある現場が数日明けになったので、ビンゴ大会をやった現場に戻った。建物はとうに完成、引き渡しも終わっているのに建築JVも設備JVも残っている。元から遅れていたところに今回の緊急事態宣言が重なって、どんどん遅れているのだろう。本来の開業日はもう過ぎているはずだ。
   ユニットバスの天井に点検口があって、そこから天井裏の空調関係の不具合を直す、が今回の作業である。この手の不具合を直すことをダメ直しと言う。そのままだ。不具合を直すと言ったって排水ホースのたるみを取って排水が流れるようにする、と言ったレベルなので配管そのものをいじる訳ではない。もしそうだったら僕の手には余る。もっともたるみを直すとは言え天井裏の上の本物の天井に、ハンマドリルで穴を開け、アンカー打ってそこに寸法測って切った全ネジを差して金具を取り付け、その金具にホースを通す、で作業終了、結構手間だ。これを天井裏、高さ一・五メートルくらいの空間でやる。面倒くさいのはもう施主に引き渡した建物なので、作業場所に行くのに一々鍵を開けてもらわないといけないことである。何か必要な物を取りに行くのに、その度に電話で監督を呼び出さなければならない。
  水曜は二人で入った。監督に会う前は一日で終わると思っていたが、監督は聞いていた量の売以上の作業箇所を言ってきた。相方はベテランだが一日しか来ないと言う。しかもこの相方、あんまり他人の話を聞かない。「今月いっぱいでやればいいんだよ、後は加藤さん一人で大丈夫だよ。」帰り際、一日の作業を終えて監督に鍵を返しがてら(その日の午後だけ鍵を借りられた。)報告をしに行くと、金曜には全部終わらないといけないと言う。土曜は作業が出来ず、月曜から検査だと。相方のベテランは木曜は僕一人で大丈夫だと社長に伝えている。金曜は明けて土曜に人を入れるつもりだったが、スケジュールも変えなきゃならない。相変わらずのんびり構えている相方を尻目に社長に電話して金曜を三人にし、木曜は一人でシャカリキに動いた。当然「××ー!」と前日の相方への文句を言いながらである。
  で、今日。応援の二人はベテランなので安心は安心だが、それでも午前中は休憩なしで天井裏に入りまくりだった。どうにか四時過ぎには作業を全て終わらせ、夕方社長が道具を引き上げに車で来た。三人に向かって「明日は現場ないから。全部休み。」。え、もう連休始まるの?もうちょっと働きたいんだけど。