茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(494)卒業式から三十年目

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(494)卒業式から三十年目
加藤匡通
三月××日(木)
    大学を卒業して三十年経っていると気づいた。もう三十年も・・・言葉を失うよ。
 あの頃より今の方がよっぽど真面目に勉強しているとは思うものの、職が定まっているとは言い難い状況がまだ続いているとは、全く想定していなかった。もっとも、バブル真っ只中にも関わらず卒論提出日にようやく一件だけ内定が届くような状態なので、その後の低迷ぶりを期待させる賃労働市場への船出ではある。
 ついでに言えば学生運動はやってなかったので、まさか自分が逮捕歴のある過激派になろうとは夢想だにもしていない。就職先が共産党の文化運動を担っていると気づいて仰天するのはもうちょっと後のことだ。
   先日の面接で一緒だった二人の内の若い方は僕よりやや年下だったが、派遣会社に入れないと嘆いていた。面接で落とされ続けていたらしい。そんなに人では余っているのかと、耳を疑った。もう一人は僕より年上、新型感染症の影響で(緊急事態宣言の影響で、と言った方がいいだろうか)会社がしばらく休業していると言っていた。
 いずれにせよ仕事がなかなか見つからないので慣れない肉体労働をしようと応募してきた訳だ。自分の時のことを少し思い出した。僕は自覚的に底辺下層へ、人民の中へと入っていったのではない(これは何度協調してもいいだろう。)。会社勤めを辞め、退職金を使い潰し、明日の現金を得るために日雇派遣へ足を踏みいれた。ほんの腰掛のつもりでだ。それからでも、二十年をとっくに越えている。
 今月は十日も働かずに終わりそうだ。職安に行ったりとかいろいろしているが、どうなることやら。