茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇)(565)年明け早々に振られる

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇)(565)年明け早々に振られる

加藤匡通

一月×日(土)

 世間がクリスマスで浮かれている頃に社長から電話があった。夏まで仕事に行っていた設備のV社の社長からだ。「来月九日から仕事あるんだけど。五月まで。」

 金額を考えると行きたいんだが、前回のこともあるし即答は避けた。一ヶ月のはずが十日しかなかったからな。あの時は日払いから移行するために借金までしたが、その後いろいろあって二十日出れない月が続き、返済はまだ終わっていないのだ(お前の金銭管理がなってないからだ、と本当のことを言うのは控えること。)。何より今入ってる現場をそう簡単に抜けられる、というか抜けていいものか。

 職長に相談し、どうにかなりそうだと思えたので社長に「行く。」と伝えた。給料が入るのは働き出してから二週間後。それまでは手持ちの現金でどうにかしなければ。四日分くらいは残せるか?

 吊り足場の養生は続いている。僕が抜けたらもっと仕切れる人を入れるようだ。うん、その方がいい。僕がやると、「これじゃ駄目だ。」と指導するよりも頭を抱えながら駄目直しに回っちゃうからな。

 年内の仕事がそろそろ終わりのある朝、五時に社長から電話が来た。今通っている現場は少し近いのでまだ寝てた。「今日忘年会なんだけど来れる?」行くかよ!社長は朝三時に起きると以前聞いてはいた。V社の仕事の時にはこの時間には起きてたし、僕から社長に電話もしてた。しかし今あんたんとこ行ってないぞ!

 年が明け、吊り足場が始まった。僕が外れる前提でもう動いている。

 火曜からのはずだがV社からまだ連絡は来ない。事務方に電話した。「九日から仕事って聞いてるんですが。」「え!あの仕事なくなったんですよ。」がーん!一昨年倒れて、日常生活や電話に問題がない程度に回復してはいるが認知機能に問題があるらしく、仕事がなくなったと伝えてもわかっていないらしい。忘年会の電話の時には仕事はなくなっていたんだとか。それは、もう経営は出来ないと言うことでは。

 いやもうどう言えばいいのか。大変ですね社長。僕も大変ですけど(こういう物言いにワタクシの徳の低さが表れているのであります。)。つーか、ダラム助けて。