茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(367)下妻ピノキオ閉店

加藤匡通 三月××日(金) 「古本屋ツアー・イン・ジャバン」を読んで下妻のピノキオが閉店したと知った。あわてて調べたらカードゲーム専門に的を絞って再出発するようだ。これまでも古本屋にカードゲームコーナーが併設されていて、客の少ない古本部分に対…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(366)企業成長の理由

加藤匡通 三月×日(水) 誰もが名前を知っている会社の創業本家現社長宅に来ている。場所はもちろん高級住宅地、こんな仕事でしか来ないところだ。 派遣会社の手配の係は「多分早上がりです。」と言ったが、昨日は四時だった。作業はコア抜きの手元と養生清…

賃[貧困文学]賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(365)ブレミアムフライデーに『ニュートン・ナイト』

加藤匡通 ニ月××日(金) 都心のビルの解体に来ている。とは言っても解体はこれから、解体前の場内整理と言ったところで、メインの作業は各階トイレのドアだの鏡だの便器のふただのに片っ端が使用禁止の貼り紙を貼ることだった。大して広いビルでもなく、高…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(364)養生に泣く

加藤匡通 ニ月××日(金) 去年から何度も入った現場に来ている。既存ビルを半分残しつつ解体している現場で、作業はOAフロアの撤去から始まって養生、仮設材搬出といろいろである。今回は今日で四日目、これまでは養生撤去と清掃だったものが今日は養生だ。…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(363)雨の中鉄筋をこする

加藤匡通 ニ月×日(金) また千葉の工場へ鉄筋をこすりに来ている。今回スケジュール調整に失敗し、雨の中で作業をする羽目になった。事前に気付いていれば監督と連絡して雨を避けたが、雨予報に気付いたのは水曜、出荷は土曜だと言う。それでは日程は動かし…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(362)弁当箱を回収

加藤匡通 ニ月×日(月) この何日か都内西部にある学校の建て替え工事に入っている。検査前の片付け清掃で一日床にダスキンをかけ続けたり掃除機をかけたりしている。今月末には引き渡しだそうだ。 昼食は相変わらず弁当で、毎日作ってくれる母には頭が上が…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(361)よせばいいのに記録をつくる

加藤匡通 一月××日(火) 千葉での鉄筋こすりはまだ続いている。試行錯誤を監督に一蹴され、ワイヤーブラシでこすってから仕上げにスコッチでこすっていたやり方はスコッチでこするだけに変わった。監督がそれほどきれいな鉄筋の錆落としを求めていないこと…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(360)ゴルフ場の風呂に入る

加藤匡通 一月×日(土) 今年最初の仕事は去年入った現場の続きでゴルフ場内の浴場の解体である。車で行ける距離の現場なので車で行っている。現場近辺までだいたい一時間と思っていたが、土曜の朝なら三十分だと今日知った。平日はやっぱり混んでるんだ。電…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(359)誕生日に『ランド・オブ・ザ・デッド』を思い出す

加藤匡通 十二月××日(水) 今日で今年の仕事は終わりだ。多分ほとんどの同僚たちが今日で終わりなんじゃないかと思う。たいていの現場はもう終わっていて、明日以降やっている現場は例外となる。僕が日雇派遣になってから、どんなにあっても二十九日までし…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(358)コンパネ撤去、但し頭上

加藤匡通 十二月××日(月) マンション改修工事に呼ばれている。こういう改修はたいていの場合再塗装で今回もそうだった。会社からは三日間、初日はコンパネの撤去、二日目はコンパネの敷き直しと言われていたので床に敷き詰めたコンパネを動かすのだろうと…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(357)養生失敗

加藤匡通 十二月×日(木) 先週から風邪を引いている。咳と鼻水だけで熱はない。気をつけないと熱が出て仕事を休む羽目に陥るので先週は最近楽しみにしている『逃げるは恥だが役に立つ』も『地味にすごい!校閲ガール 河野悦子』も見ずに早く寝た。おかげで…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(356)自分は賃金奴隷だとまた思い知る

加藤匡通 十一月××日(金) 千葉に鉄筋をこすりに行く仕事は続いていて、月に二回ほど通っている。それとは別で、千葉のもっと遠くに水曜から行っている。高速でも一時間半、片道で二千五百円を越える。最早全く近くもないし会社から見た方向すら違う。最寄…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(355)『メイトワン 1920』

加藤匡通 十月××日(木) 毎年十月末から十一月にかけて東京国際映画祭と言うイベントがある。映画祭としての評価とかはどうでもよい。僕にとっては見ることの出来ない映画を上映してくれる場所で、それは映画祭が始まった時から変わらない。来日するスター…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(354)八街でも振られる

加藤匡通 十月××日(金) 昨日今日と車で千葉方面に行った。もちろん派遣会社の仕事である。最寄駅から現場が遠いので車で行った方がよい場合、こうことがたまにある。通勤中の交通事故は労災とされるので通常派遣会社はバイクも含めて車通勤を嫌がる。僕が…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(353)駄目な監督

加藤匡通 九月××日(水) マンションの改修工事に入っている。養生・クリーニングと言うより僕には雑の印象が圧倒的に強いL社の仕事である。朝、L社の職人から「今日何の作業って聞いてます?」と聞かれて派遣会社の同僚と顔を見合せた。僕たちはコア抜き…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(352)中池袋公園で市を見つける

加藤匡通 九月×日(土) 先日二日続けて池袋の現場に行った。片付けだの掃除だの養生だのをやらされたが、それはいいや。大学一年二年の時は乗り換え地点だったので池袋は毎日来ていたものの、特に日雇派遣になってからは池袋の現場なんてほとんど入ったこと…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(351)『暗闇の悪魔』(題名と内容は関係ありません)

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(351)『暗闇の悪魔』(題名と内容は関係ありません) 加藤匡通 九月×日(木) 月曜からピットに入っている。去年完成した一期工事の床下に水が貯まっているので水を取ってくれと言うのが監督の要望である。どうもカが発生して…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(350)『続・鎌田浩宮 福島・相馬に行く 俊之が結婚』

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(350)『続・鎌田浩宮 福島・相馬に行く 俊之が結婚』 加藤匡通 八月××日(土) 一日台車を押して荷物を動かして過ごした。だらだらとしていてやる気も出ない。 昨日今日と同じ現場なんだが、一昨日派遣会社から最初に言われた…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(349)掃き掃除をしていてヘレニズムを見損ねる

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(349)掃き掃除をしていてヘレニズムを見損ねる 加藤匡通 八月××日(木) この一週間、ずっと外の仕事をしている。既存の建物の改修工事で、低層棟の屋上に敷き詰めてある砂利の撤去である。半世紀近い建物なので防水工事をや…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(348)東京にもオリンピックはいらない

加藤匡通 八月××日(火) 朝起きるとNHKをつけてニュースを流しながら出掛ける準備をしている。別にNHKのニュースに信頼を置いている訳ではなく、民放だと芸能だのスポーツだのが大きくてうるさくて敵わないからだ。芸能人が不倫しようが豪邸建てよう…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(347)台風上陸

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(347)台風上陸 八月××日(月) 高級マンションに入った。簡単な養生と荷物の移動、搬入と聞いていた。作業場所をよくわかっていなくて、住所を頼りに現場に着いて見るからに高級マンションなんでびっくり。セキュリティーのし…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(346)いろいろ外される

加藤匡通 八月×日(水) 最高気温の予想が三十七度ともなると天気予報の中で「なるべく外出は控えてください」とか言われる。控えたいのは山々だが、そんなことをすれば収入は激減、熱中症とは違った形で生存の危機をむかえる可能性が高まる。それにきっと市…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(345)「なんで睡眠不足なんですか?」

加藤匡通 七月××日(火) 石綿を含む天井を解体している。先月来始めた時はまだ石綿を含んではいない天井の解体だった。どっちもやることは同じだ。この現場は工場なので天井がやたらに高い。それなので通常より広い、足場に車輪がついているようにしか見え…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(344)「明日仕事薄いんですよ。」

加藤匡通 六月××日(水) 昨日三時に派遣会社に電話したら、「明日仕事薄いんですよ。」と言われた。五月から六月にかけて十日以上現場に出なかったので今頃になって干されるかと思ったが、営業をかけてどうにか仕事を取ってきたらしく僕の首はつながった。 …

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(343)『イデオン』がない

加藤匡通 六月×日(火) 地元でよく使っていた本屋、プックエースつくば学園店が先月八日に閉店した。閉店と言っても場所を変えてすぐ再開するから正しくは移転だな。移転先はつくば市内のショッピングモールLALAガーデンの中、五月二十日からだ。移転し…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(342)或る夜の出来事

加藤匡通 五月××日(日) 夜八時過ぎに居酒屋から出てみると目の前で制服警官が赤い棒を振って車を停めている。検問だ。もちろん僕は運転するしないの以前に酒はやめているので問題はない。昼に用事は済んでいるので急ぐこともない。停められたら原則的な対…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(341)安全靴を忘れる

加藤匡通 五月×日(木) ゴールデンウィーク後半戦だがもちろん働いている。後半前にはデモ申に行ったが、流石サミット、県警警備部が出て来た。名乗らなくとも名前知ってたけどそれは当然なので驚かない。平日をそうやって潰してるんだから旗日は働かないと…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(340)夜間道路工事

加藤匡通 四月××日(金) 先週今週と毎晩運動絡みの用事が入っている。サミットがあってメーデーがあって、さらに通常の組合の仕事があって読書会があるとこうなる。一週間全部埋まるのもほぼないが、それが続くことはこれまでなかった。借りてきたDVD(…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(339)年収二百万の自業自得

加藤匡通 四月×日(月) 先週は安全保証関連法施行への抗議行動と『九月、東京の路上で』の著者と『都市と暴動の民衆史』の著者によるトークショーがあって二日休んだ。前者は反戦ストの呼び掛けに組合として応えた。とは言ってももちろんストなんて出来ない…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(338)想定外の残業

加藤匡通 三月××日(金) 自分の都合で好き勝手にバシバシ休むからなのか、長期に渡って安定した人間関係を築けないと思われているのか、過激派だとばれてるのかわからないが、このところ現場を毎日変わっている。同じ現場で職長をしていたのは遠い昔、一昨…