茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(337)友朋堂と芳林堂

加藤匡通 三月××日(火) 友朋堂書店はつくばで展開していた(と過去形で書いているのがまた悲しい訳だが)書店である。先月突然ツイッター上で閉店が告げられ仰天、途方に暮れた人は多い。が、最近はボイント還元の誘惑に負けてブックエースを使っているの…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(336)顔認証

加藤匡通 三月××日(金) 前からぽつんぽつんと呼ばれる現場に入ったら、写真を撮られた。顔認証用だと言う。前回入った時に顔認証のシステムが導入されているのに気付いていたが、その時は何も言われなかった。パソコンの前で、カメラに向かうでもなく写真…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(335)ローリングタワーの荷揚げ

加藤匡通 二月××日(水) スーパーゼネコンに派遣会社が一次で入っている改修現場で架設材の搬入をしている。正しく言えば荷揚げだろう。四階建ての屋上にローリングタワー二機分を階段で運んでいるからだ。ローリングタワーは足下に車が付いていて割りと簡…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(334)プラ段貼り再戦

加藤匡通 二月××日(木) 前回の日記と同じ現場の別の棟に入っている。元請は養生・クリーニング屋のN社で作業内容は天井剥がしのための壁養生、使うのはプラ段、と一ヶ月前とまるで同じである。手配の電話で聞いた時には同じ内容の養生とまでは思わず、朝…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(333)香山滋展

加藤匡通 一月××日(金) 有名な建物の改修に入っている。もう三日目だ。養生・クリーニングのR社で入っているが、以前は別棟に同じく養生・クリーニングのN社で入っていた。こういうことはよくある。大きな現場になると同業者が四つも五つも入っていること…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(332)怪獣映画にも振られる

加藤匡通 一月×日(土) 僕が今いる派遣会社は建築全般への派遣と設備だけへの派遣の二部門があって、僕は建築部門に登録している。設備部門が出来たのはは僕が茨城に来てからだ。どちらも派遣だけでなく請負の工事もしている。前にも書いたが設備の方が単価…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(331)すなわち、私は一体何者か

加藤匡通 十二月××日(木) 都心のマンション改修工事に来ている。何度も呼ばれている、派遣会社が一次で入っている会社だが今回は雑工として呼ばれている。へえ、普段は養生・クリーニングで呼ばれてるけど、こんなこともあるんだ。 工事は終盤、あと一週間…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(330)がんばれ教文館

加藤匡通 十二月×日(土) その街へ行く、駅を使うと立ち寄る本屋や古本屋がいくつかある。南流山を使うと古本屋のブックジャムに寄るし、秋葉原なら書泉ブックタワー、東京駅の八重洲口を使えば八重洲ブックセンターに寄る。新宿なら紀伊國屋か模索舎、渋谷…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(329)昼休みは寝る時間

加藤匡通 十一月××日(土) 建築現場の人間にとって昼休みとは食事の時間であると同時に睡眠の時間である。スーパーゼネコンの監督や事務員は眠らないかもしれないが、基本的には作業員は眠っている。食事の時間は短いほど睡眠時間が伸びるのでみんな昼を食…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(328)通知

加藤匡通 十一月××日(金) 多分年に一回くらいの頻度で、もうこれからは本も買えないし映画も見れないなと思うことがある。急いで断っておくと弾圧の危機が迫っているのではない。僕はそんなに真面目ではない。経済的な危機である。これまで何度かあった危…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(327)ピット三昧

加藤匡通 十一月×日(木) 月曜は『ジャミラ 朝は近い』を買ったマンション改修現場で廊下床の養生撤去をしていた。始めのうちはどうやれば早く床に敷いてあるシートを剥がしてまとめられるかがわからず時間がかかったがすぐに慣れていいペースで剥がせるよ…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(326)詰所でレジュメを切る

加藤匡通 十月××日(水) 設備の現場、マンション新築に来ている。このところ近くの現場が続いていたので四時半起きが辛い。今日で三日目だがまだ辛い。昨日も一昨日も会議で寝たのは十二時過ぎだったからだ。専従者の会議なら昼間に出来るだろうが基本的に…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(325)「会社に日払いの連絡をするのを忘れてしまいまして、大変申し訳ないのですが」

加藤匡通 十月××日(火) 新築の商業ビルにクリーニングに来ている。R社の仕事でR社本体が数名、下請けとして派遣会社がニ社入っていて計十五、六名。工事は最終段階に入っているので当然僕たちの仕事はクリーニングである。 小一時間かかった新規入場者教…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(324)土工手当

加藤匡通 十月×日(金) 車で通える現場に来ている。既存の建物の耐震改修と新築が並行して進んでいるがどちらも小さな建物なので現場の規模は大きくはない。作業員は三十人程度だ。養生・クリーニング屋の社で来ているが、R社本体はおらず下請けの派遣会社…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(323)雨の中コン打ち

加藤匡通 九月××日(土) コンクリ打設の相番、バイブのスイッチ係に来ている。マンションの新築工事で電気屋が派遣先である。昨日の手配の段階で雨でも決行と聞いていた。予報通りに朝から雨で合羽を着てのコン打ちになった。外構屋のコン打ちならブロック…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(322)

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(322)藤棚で変身してジャミラと会う 九月×日(火) 千葉にマンション改修工事へ来ている。昨日はマンションを囲んで立つ足場に「最大過重百五十キロ」「安全帯使用」なんて看板を着けて回った。廊下から見える位置、との指示…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(321)運は残っているか?

八月××日(金) 先月入った体育館耐震改修工事に戻って来た。今回は荷上げ屋扱いらしい。朝礼でも地元のゼネコンの監督から「荷上げ屋さん」と呼ばれた。荷は鉄骨、体育館の天井に組まれてる奴だ。この耐震工事は鉄骨を補強する形である。もちろんとても重い…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(320)西で鳶の手元

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(320)西で鳶の手元 八月×日(水) 前に都内西部に行くと書いたが、その現場での作業については書かなかった。今週は半分その都内西部に通っていた。時間も金もかかるし、勘弁してもらいたいんだよ。頼むよ!同じ電車に一時間…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(318)鳶の相番クリーニング

七月××日(月) 鳶の足場ばらし相番と言う作業がある。鳶職が足場を解体するのに合わせて、足場がなくなったら出来なくなってしまう作業をしていくことを指してそう呼ぶ。壁の汚れなどの塗装やクリーニングは本来足場ばらしの前に終わっているはずなのでこの…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(317)鈴木書店はやっているか?

七月××日(金) 四日続けて千葉に来ている。手配の人間は「近いでしょ。」と言いたげだったが近いと言えるのは松戸野田柏流山辺りであって成田はもちろん千葉市だって近くはないのだ。時間も金額も都心部に出るのと変わらないのだよ。楽しみと言えば普段行か…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(316)遅刻した奴はおいていけ

七月×日(火) 先週も入った学校の耐震改修現場に来ている。先週は体育館内放送室に一段三スパンの足場を組み、体育館内一面に組まれた足場を登ってほぼキャットウォークの高さで壁を多少はつった。監督が僕のいる派遣会社からの出向でその指揮下での作業だ…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(315)『ゆきゆきて、神軍』イオンシネマ守谷上映

加藤匡通 六月××日(水) 初めはお知らせとして載せようと思っていたが直前で思い直した。お知らせにするには組合と関係が無さ過ぎる。 『ゆきゆきて、神軍』は八十七年公開のドキュメンタリー、僕は公開当時にユーロスペースで見ている。亡き戦友の名を叫び…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(314)ヤメタランス効果共同研究者募集

加藤匡通 六月×日(土) 去年から出たり入ったりを繰り返している派遣会社がゼネコンに一次で入っている現場にまた来ている。前回は三月だったか。内装はかなり仕上がっていて、詰所も建物内に移った。職人も倍近く増え、八十人を越えている。 派遣会社から…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(313)『光陰的故事』

加藤匡通 五月××日(水) 今日の現場は都心部。大きな建物の改修工、やや特殊な構造なので使いやすくするためにか、壁は片っ端からぶち抜かれるらしい。建物内に入ると壁や天井のいたる所に「解体」と大書きされている。養生・クリーニング屋のR社として入…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(312)熊手を買いに走る

加藤匡通 五月×日(月) 一昨日の土曜は解体材の搬出、連休最終日の続きだった。土曜休みで事務所が閉まっているビルの一階丸々のOAフロアを引っ剥がし、台車に乗せてエレベーターで運び出す。引っ剥がすのはOAフロア屋がやるので僕たち派遣は搬出だけ、…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(311)『中高年ブラック派遣』

加藤匡通 五月×日(日) 毒舌で知られるエロまんが編集者塩山芳明のブログで高評価だったので『中高年ブラック派遣 人材派遣業界の闇』を買って読んだ。この手の体験記的な本は沢山出ていて玉石混淆なので新刊は見逃すことにしている。何も知らないし関心も…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(310)現場でメーデーの声を聞く

加藤匡通 五月×日(金) 火曜はつくばでのメーデーのデモ申請で休み、水曜は呪うべき天皇制の休日、都内のデモに行くつもりだったが前日になって予定変更、近くの面白そうな講演会に行った。木曜金曜、つまり昨日今日は仕事である。来週月曜からの三連休も仕…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(309)風邪が治らない

加藤匡通 四月××日(土) 一日休んだのに体調はちっともよくならず、熱っぽく喉も痛いまま仕事に二日出た。別々の現場だが内容はどちらも簡単なクリーニングである。木曜は一日タワーマンション内覧会前の掃除機がけを、金曜は倉庫の新築で仕上がった内壁に…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(308)特別教育月間

加藤匡通 四月××日(火) 先週の火曜は職長・安全衛生責任者教育教育を受けていた。これは一日では終わらず来週の火曜にまたある。「一人現場とか、職長資格ないと駄目だって最近うるさいんですよ。」とは派遣会社の弁。一日会社の人間の行う講習を聞いてい…

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(307)当日欠勤で罰金

加藤匡通 四月×日(木) 夕食後に腹を下し始めた。お茶を飲んでもトイレに駆け込むようになり、夜中もトイレに行き、いつもの朝四時半より早くに起きてまた行って、それでもおかしいので五時前にまだ誰もいない派遣会社に電話をかけた。「加藤です、腹壊して…